黒部峡谷鉄道EHR形電気機関車
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EHR形は、黒部峡谷鉄道が所有する直流用電気機関車である。EHR101,EHR102の2両が在籍する。
[編集] 概要
本形式の前身であるEH形は日立製作所が1974年に同社凸形電気機関車のED15,ED16を改造して製作された機関車である。名目上改造機ではあるが、車体は新品の箱型で、台車や電装品も全て新品の物を使用した為に実際は新車同然の機関車である。EH101、EH102あわせて336kWの出力をほこり、軌間762mmの特殊狭軌(ナローゲージ)では日本最強力の機関車である。
国鉄EH10形電気機関車と同じ形式で2両連結車体に片運転台の所までは共通だが、こちらは単機でも運転できる。そのため、EH形と称するもの各車体がそれぞれ別の番号を称している。ただ、一方向しか運転台がないため不便である。このため製造は101,102のみとなり、その後は自由に重連運転の出来るED形(23~28)の製造に切り替えられた。
1975年に私鉄の電気機関車として初めて鉄道友の会のローレル賞を受賞した。
1993年に増速改造が行なわれ、EHR形に改められた。
[編集] 主要諸元
EHR101とEHR102重連運転時の諸元を示す。
- 全長:14,100mm
- 全幅:1,662mm
- 全高:2,730mm
- 運転整備重量:31.0t
- 電気方式:直流1500V(架空電車線方式)
- 軸配置:(B+B)-(B+B)
- 台車形式:一体溶接台枠式
- 主電動機:HS-102-HrB形(42kW)×8基
- 歯車比:14:78=1:5.57
- 1時間定格出力:336kW
- 1時間定格引張力:6540kg
- 1時間定格速度:24.8km/h
- 動力伝達方式:歯車1段減速、吊り掛け式
- 制御方式:重連総括制御、抵抗制御、2段組み合わせ制御
- 制御装置:電磁接触器式
- ブレーキ方式:AME26-D空気ブレーキ、発電ブレーキ、手ブレーキ
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