龍井茶
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龍井茶は、中国で代表的な緑茶の一種であり、杭州の特産として知られている。中国の代表的な緑茶であるが、(煎茶の名前の通り)煎ることで茶葉の中の酵素を熱変性させ発酵を止めるので、茶葉は蒸してある日本の緑茶よりも緑ではなく、形も扁平形をしている。飲み方は、コップに茶葉を入れ、85〜100度の熱湯を加える。茶をコップの二割程残して、お湯を加えてゆき、味がなくなってきたところで茶葉もろとも捨てる。中国では墓参りの時期として有名な清明節前に採取した茶葉で作った龍井茶が高級品「明前茶」として扱われる。
杭州のその産地により、獅峰、西湖、梅家烏、雲栖の四つに分けられる。有名な物があれば必ずその偽物が作られるが、龍井茶もその例に漏れず、中国では、杭州一体で採れる茶を遥かに上回る「龍井茶」が生産されている。偽物を排斥する努力が、官民揚げてなされているものの、効果の方は疑問である。元来、龍井茶は杭州の西湖の西にある龍井村で産出された茶から、その名前が摂られている。従って、偽の龍井茶が流通している現状を揶揄して「龍井茶不出於龍井村(龍井茶は龍井村から出て来ない)。」と、有り難くない評価がされている。大都市の一般店で売られている“龍井茶”は、ほとんどが杭州一帯で採られた茶葉で作られた龍井茶ではない、と言われているが、それを確認することは難しい。近年、生産地を冠した龍井茶、例えば「佛山龍井茶」等の“龍井茶”も製造販売されている。
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