Aliene Ma’riage
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Aliene Ma’riage | |
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出身 | 大阪 |
活動時期 | 1998.3 - 2001.5.11 |
ジャンル | ヴィジュアル系 |
所属事務所 | KEY PARTY |
MEMBER | |
Voice | 狂華 |
Guitars | MAST |
Bass | Ray |
SUPORT MEMBER | |
Drums | J.P.HAL.J (SPEED-iD) |
Aliene Ma’riage(アリエネ マ・リアージュ)はKEY PARTY所属のヴィジュアル系インディーズロックバンド。
1998年から2001年にかけて活動し、当時のヴィジュアルシーンにおいてトップクラスの人気を誇ったバンドの一つ。ステージ衣装にドレスや外套を使うなどの徹底した世界観と、ヴィジュアル系としては高水準の作曲・演奏力を兼ね備えており、それが理由か男性ファンが多かった。
目次 |
[編集] 解説
華美な衣装を纏った外見とは裏腹に、極度にヒステリックな悲鳴をあげるヴォーカルや、ハードロックを消化したメロディアス且つ激しいギタープレイで、他のバンドには無い独特なゴシックサウンドを作り上げた。古のヨーロッパを舞台にした物語と、狂華(voice)の精神世界を吐露した猟奇的な世界を描いた歌詞は、メジャー流通のCDでは掲載できない事も多く、なおかつ、ライブにおけるパフォーマンスも過激で、ファンがステージに登ってしまう事もままあった。2000年後半辺りから機材を一新し、それまでにもあったハードコア的な要素をより強調した音作りをするようになる。
[編集] バンドの歴史
[編集] 1998年
1998年3月、関西のローカルバンドautismを前身として結成された。同年5月よりシークレットのライブ活動を始め、6月27日に新宿LOFTでファーストライブを行う。8月には初の音源『傀儡人形』を発売。その後も、東京近郊のライブイベントに継続的な出演をし、翌年1999年1月、池袋CYBERにて「古の愛物語(ストーリー)」と題したワンマン公演を3ヶ月続けて行う。
[編集] 1999年
その頃、狂華とRayの音楽的な対立から、両者共に非常に険悪な状態になっており、当初1月に発売予定のアルバムも、製作を前年10月に開始しながら未だ完成を見ていなかった。だが、ワンマン公演の間に発売された所属事務所のオムニバスアルバムに、パイロット版として収録した「SUICIDE」で手応えを掴んだバンドは、音楽性をより激しく、よりダークネスな方向へと絞り、SHOXX主催イベント「SHOCK WAVE 春の陣」の出演の後、5月にファーストアルバム『Les Soirée 夜の舞踏会/洗礼の章~生誕篇』を発表した。同月30日、渋谷公会堂で行われたKEY PARTY主催のイベント「HOLD YOUR KEY ~鍵を握れ!」に出演し、時計盤を摸したアルバムの視覚的なインパクトも手伝って、全国的にその名が知れ渡る事となる。
続くアルバム『Les Soirée 夜の舞踏会/断罪の章~神罰篇』の発売に併せ、7月から全国でインストアイベントを実施。それと同時に「HOLD YOUR KEY TOUR’99」の東名阪公演、「SHOCK WAVE 夏の陣」にも出演するなど精力的に活動を続け、10月22日、渋谷ON AIR WESTにてワンマン「夜の舞踏会~Les Soirée」を敢行する。そして12月には、写真集『Les Soirée~完結篇』をリリースし、同26日に開催された渋谷ON AIR EASTでのワンマン「夜の舞踏会~Les Soirée(異形の晩餐)」を以て、「Les Soirée」を冠した「第一部」を完結させた。
[編集] 2000年
2000年1月発売のKEY PARTYのオムニバスに1曲参加した後、4月から初のワンマンツアー「洗礼の章」をスタートする。札幌、福岡を含む全国を廻り、4月28日発売のビデオ『舞踏会の絵』購入者に向けたインストアイベントも併せて実施するが、このツアーはメンバーにとって決して納得できるものではなかったようだ。
ツアーから帰ったバンドは夏に発売されるシングルのレコーディングを始めた。それまでは、レコーディングの度にメンバー間で必ずと言っていい程揉めていたのだが、狂華は「ある曲」を収録することを条件に楽曲の製作を楽器陣に完全に委ねる事を約束し、その為かレコーディング作業は限りなく順調に進んだ。レコーディングが終わると、5月に日比谷野外音楽堂で開催されたイベント「HOLD YOUR KEY 2000」のアンコールツアーに参加。8月からNoir fleurir、Missalina Reiらと全国10ヵ所を共に廻り、このツアーの中でファーストマキシシングル『Ma’ria』はリリースされた。
10月、渋谷ON AIR WEST 2DAYS「La Matinée~高貴なる血族祭」開催。それに伴いオフィシャルファンクラブが設立される。この公演の2日目、狂華はそれまでトレードマークだった真紅の長髪を切り捨て、色も黒く染めてファンはおろかスタッフやメンバーまでもを驚かせた。その後、「ラ・マチネ アンコールライブ」として急遽発表された目黒鹿鳴館3DAYS公演を12月初頭に行い、23日には池袋CYBERのイベントに出演するが、この日を境に表立った活動が殆ど無くなった。
[編集] 2001年
2001年に入ると、『M’aria』の初回版に収録されていた「M」を楽曲化したというアルバムを、狂華のソロ名義で発表する。それに触発されたMASTとRayもそれぞれソロアルバムを製作し、ファンクラブ限定で販売された。3月にはニューアルバム『21st century』をリリースする。だが、その直後にバンドの解散がファンクラブ会員に向けて発表され、5月11日の目黒鹿鳴館ワンマンを以て解散。その理由はメンバー各人の自立の為との事。
[編集] ディスコグラフィ
- 傀儡人形
1998年8月30日発売のデモテープ。マネキンと読む。1999年発売予定のアルバムのデモンストレーション・カセットしてリリースされた本作は、限定3000本で販売されるはずが予約だけで8000本も来てしまい、結局5000本が追加で刷られ、インディーズのデモテープとしては異例の売り上げを見せた。8000本完売。
- 『絶命』
- BURST
- 呪縛鏡
- エンドレス
- マネキン(LIMITED EDITION)
- Les Soirée 夜の舞踏会/洗礼の章~生誕篇
1999年5月26日、幾度もの延期の末にエナメルレコードよりリリースされたファーストアルバム。ストーリー上の時系列に沿った曲順になっている。CD自体が時計の文字盤になっていて、実際に時計として使用することも可能。10000枚完売。
- 序章『絶命』~神々の不在
- 撲『しもべ』
- 夜の舞踏会~ル・ソワレ
- 精神隔離症の『』と夢遊症の『』
- 禁・ジラレタ思考回路
- 古の愛物語~エンドレス
- SUICIDE~洗礼の章
- 傀儡人形~Mannequin(BONUS TRACK)
- Les Soirée 夜の舞踏会/断罪の章~神罰篇
1999年7月23日発売のアルバム。エナメルレコードよりリリース。『生誕篇』に新曲を3曲追加し、ほとんどの楽曲がリアレンジして再録(*)されていて、完全版的な位置付けになっている。『生誕篇』のCDを収納できる仕様になっている。10000枚完売。
- 神罰篇~神々の審判(SE/新曲)
- 夜の舞踏会~ル・ソワレ*
- 罪と罰(棄てられた記憶)(新曲)
- 禁・ジラレタ思考回路*
- 精神隔離症の『』と夢遊症の『』
- 撲『しもべ』
- 『虐』~呪ワレタオルゴールノ中デXXX~(新曲)
- 古の愛物語~エンドレス*
- SUICIDE~洗礼の章*
- Les Soirée 完結篇
1999年12月2日にシンコーミュージックより発売された写真集。ハードカバー仕様の100頁フルカラーB5サイズ。『傀儡人形』の楽曲を含む3曲を再録音したCDが付属。山中湖にある有名なスタジオで合宿レコーディングがされた。収録された3曲は全て1トラックにまとめられており、曲間はSEで繋がれている。Vicious編集。
- (罪と罰)棄てられた記憶
- 呪縛鏡
- BURST
- 異形のマリア
1999年12月26日、渋谷オンエアーイーストの会場にて配布されたデモテープ。タイトル曲は「夜の舞踏会~ル・ソワレ」の原形で、『傀儡人形』に収録されるはずだったものを当時レコーディングされたままの状態で収録。歌詞カードは封入されてないが、同日会場で販売されたパンフレットに歌詞が記載されている。
- 異形のマリア
- 呪ワレタオルゴールノ中デ~
- Ma'ria
2000年8月26日にJ.i.t SYNDICATEから発売されたマキシシングル。『完結篇』に続き合宿でのレコーディングが行われた。初回版に収録された「M」は、海外の熱狂的ファンから手紙と一緒に送りつけられたテープに収められていたもので、その内容にショックを受けた狂華が周囲の反対を押し切ってまで収録させたという、曰く付きのトラック。2ndプレスに収録の「蝕」はKEY PARTYの企画アルバムで狂華が歌っていた楽曲のアリエネバージョン。このシングルから機材を一新している。各10000枚完売。
- Virgin Mary
- α ~精神異常者の脳内麻薬~
- revive(殺意)
- La Matinée
ファンクラブ会員にプレゼントされた3曲入りのシングル。3曲目に収録されている「毒の華」は、初期の頃からライブでは演奏されていた曲で、元々は次のアルバムに収録される予定だった。全編通して打ち込みでリズムが構成されている。
- La Matinée ~白昼の舞踏会
- FEAR
- 毒の華
- 21st century
2001年3月30日発売のラストアルバム。
- 荒廃(World Wide Waste)
- B.I.S(Balmy Illegal Society)
- BLACK JACK AGE
- 降臨
- Native Devil
- Divine the future from the stars
- Deadly sin(七つの大罪)
- Under the Rose leaf
- サイバーパトロールを打ち落とせ
- 蝶
- 舞踏会の絵
2000年4月28日発売のヒストリービデオ。10000本完売。
[編集] 代表的な楽曲
- SUICIDE~洗礼の章
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- ライブではほぼ毎回最後に演奏される非常に激しい曲で、1998年12月21日川崎CLUB CITTA'のイベントで初めて披露された時は、出演時間の25分全てをこの1曲の演奏だけで終えた。CDでは重厚なギターオーケストレーションや2分以上にも及ぶギターソロなどがフィーチュアされている。
- 夜の舞踏会~ル・ソワレ
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- ロックンロール調のギターリフと流麗なメロディーラインが特徴。元々は「異形のマリア」というタイトルで『傀儡人形』に収録されるはずだったが、歌詞が残虐すぎるとの事から見送られ、その後アルバムに収録される際に、タイトルと歌詞が変更された。王子と王女の出逢いの物語。
- 古の愛物語~エンドレス
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- 初期のライブで主題となっていた曲。疾走感のあるメロディアスな曲で、サステインの効いたギターソロが印象的。狂華とRayの間でこの曲の解釈が大きく違った事がファーストアルバムの発売延期の主因となったと言われる。
- Vargin Mary
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- アンプに直結させたダイレクトなギターサウンドと、特徴的なメロディーを持つ楽曲。初期の頃から「Ma’ria」のタイトルで演奏されていた曲で、「ル・ソワレ」を主題とした頃はセットリストから外されていたが、2000年のワンマンツアー「洗礼の章」辺りからまた演奏され始め、幾度と無くアレンジを変えながらも2000年夏に発売されたシングルのリードトラックとして完成する。儀式の生け贄にされた盲目の少女の歌。
[編集] ラ・マチネ
2000年10月27日からの渋谷ON AIR WEST 2DAYS公演「La Matinée~高貴なる血族祭」より、オフィシャルファンクラブ「La Matinée」発足。入会特典として、書き下ろし曲を収録したCDのプレゼントがアナウンスされていたが、キーパーティー本社及びレコーディングスタジオの移転・拡張工事の影響を受け、大幅に製作が遅れる事になる。その他、会報の隔月発行やトークイベントの開催等、会員限定のサービスが充実していたが、バンド解散に伴い一年と持たずに消滅した。
2冊だけ発行された会報は共に短冊形12頁の形態をしており、メンバー各々の頁や使用楽器の紹介、過去リリースされた音源のレコーディングエピソード等が掲載された。中でも「MASTの部屋」は、1号で「マストの、ギターキッズのための名盤紹介」としてハードロックアルバム(ミスター・ビッグ、オジー・オズボーン)を紹介、2号では「SUICIDE」や「Vargin Mary」のギターTAB(一部)を掲載する等、ファン心理を擽る様な内容になっている。
[編集] FC限定販売品
- 『La Matinée』 (FC入会特典CD。3曲収録)
- 『La Matinée Reel.One/Reel.Two』 (ライブビデオ。10/27.28渋谷公演収録)
- 『THE NIGHT OF LA MATINEE』 (ライブアルバム。10/28渋谷公演より11曲収録)
- 『M』 (狂華 ソロアルバム。5曲収録)
- 『MOON』 (MAST ソロアルバム。5曲収録)
- 『MASK』 (Ray ソロアルバム。5曲収録)
- 『LAST LIVE』 (ライブビデオ。5/11目黒鹿鳴館公演を収録)
- 『撲~しもべ~』 (ビデオクリップ。1曲収録)
- 『Alienation BOX』(VHS5本、前身バンドの未発表音源、各種グッズを収めたボックスセット)
[編集] 特筆事項
- 同じ事務所に所属していたNoir fleurirとは非常に仲が良く、レコーディングやライブにMASTが参加するなど、積極的な交流がされた。また、Noir fleurirのアルバム『FOR 10 YEARS AFTER』には、両バンドで共同製作された楽曲が1曲収録されている。
- MASTとRayは幼稚園からの幼馴染。ちなみに、ファンやKEY PARTYの同胞からは「ピーちゃん」「レイチェル」という愛称で呼ばれることも多かった。
- Eliphas LeviのギタリストShuriは狂華の実兄で、長いこと生き別れになっていたが、アリエネがKEY PARTYに所属したのをきっかけに再会。両バンド解散後にはCupidと言うバンドを結成するが、短期間でその活動を終えている(音源等のリリースは無い)。
- MASTには通称「ブリザード」と言う、シグネイチャーモデルのギター(フェルナンデス)がある。当時は使用されることも少なく、アリエネ マ・リアージュ解散後はスタッフに預けられていたが、2006年に新バンドを始めるにあたり、封印を解いた。セッションバンド「Native Devil」のライブから使われている。
- 狂華のソロアルバムに収録されていた「埋葬蟲」の歌詞を再編集したものが、狂華が2006年に当時の盟友と結成したDeflina Ma’riageの2nd CDに収録された新曲「埋葬蟲」で使われている。
[編集] 解散後の活動
- 狂華は、Chaos systemを結成。2006年からは、Deflina Ma’riageでの活動も並行して始める。
- MASTは、2005年11月にMIL解散後、現在新バンドの準備中。
- Rayは、vinettを経て現在ネガ。途中、MILのサポートも務めた。
[編集] 外部リンク
- 【Kyoka †の部屋】 狂華の個人サイト
- ★MASTの全て★ MASTの個人サイト
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