DPMI
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DPMI(DOS Protected Mode Interface)は、マルチタスクOS(又は擬似マルチタスクOS)の仮想DOSマシンの環境下でプロテクトモードアプリケーション(主としてDOSエクステンダ)の実行環境を提供する規格である。
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[編集] 概要
MS-DOSの次世代OSとなるマルチタスクOS(又は擬似マルチタスクOS)の仮想DOSマシンの環境下で、メモリ保護等のマルチタスク環境で必須のシステム保護を行った上でプロテクトモードアプリケーションの実行環境を提供する規格がDPMIである。
マルチタスクOSの環境下では、メモリ上に複数のアプリケーションを同時に読み込むことが出来るが、そのためにはメモリ領域の棲み分けをする以外に、バグや悪意のあるアプリケーションがメモリ上に読み込まれたとしても、他のアプリケーションのためのメモリ領域等のシステムリソースを破壊しないようにOSレベルでのシステム保護が必要である。
DPMIはシステム保護という目的を達成するためにプロテクトモードアプリケーションを特権レベル1~3で実行させる。DPMIアプリケーションは特権命令を直接利用することが出来ないので、DPMIはVCPIと比べて多くのファンクションコールを提供する。 結果としてDPMIはVCPIよりもかなり重い環境になった。
なお、DPMIはVCPIを拡張した規格であるという誤解が一部にあるが、DPMIは実際にはVCPIとの互換性は全く無く独立した規格である。
[編集] DPMIの問題点
DPMIの最大の問題点は、登場時期が遅すぎたことである。
DPMI0.9の最初の実装は、Windows 3.0 である。
つまりこの時期に、ユーザーインターフェースのあるアプリケーションを新規に開発する場合には、わざわざDPMIアプリケーションとして開発するのではなく、Windowsアプリケーションとして開発する方がその将来性を考えて望ましい時期に入っていたことを意味するからである。
(ただし既存のDOSエクステンダや既存のプロテクトモードアプリケーションをDPMIに対応させることは、それらの製品寿命を延ばす意味があるので価値があった。またコンパイラやリンカー等のようにファイルしかアクセスしないアプリケーションを新規に開発することにも意味があった)
[編集] 関連項目
- MS-DOS
- Microsoft Windows
- DOSエクステンダ
- VCPI(Virtual Control Program Interface)
- EMS(Expanded Memory Specification)
- XMS(Extended Memory Specification)
[編集] 参考文献
- 『MS-DOSメモリ管理ソフト技法-メモリ常駐ソフト&拡張メモリ活用プログラミング』(CQ出版、1990年), ISBN 978-4789834841
- 「インターフェース 1990年9月号」(CQ出版)
- 「インターフェース 1993年10月号」(CQ出版)
- Duncan, Ray (1992). Extending-DOS:A Programmer's Guide to Protected-Mode DOS(Addison-Wesley), ISBN 0-201-56798-9