EACH TIME
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EACH TIME | ||
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大滝詠一 の アルバム | ||
リリース | 1984年3月21日 1984年4月21日(再発) 1984年6月1日(CD盤) 1989年6月1日 (LP・CT盤再発) 1991年3月21日 (CD盤のみ再発) 1997年10月22日(MD盤) |
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ジャンル | J-POP | |
レーベル | CBSソニー Sony Records(再発) |
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プロデュース | 大瀧詠一 | |
レビュー | ||
最高順位1位、累計売上60万枚 |
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大滝詠一 年表 | ||
アーリー 大瀧詠一 (1982年) |
EACH TIME (1984年) |
B-EACH TIME L-ONG (1985年) |
EACH TIME(イーチタイム)は1984年3月21日にリリースした大滝詠一のアルバムである。当時はLP盤とカセットテープのみの発売だったが、同年の6月1日に35DH 78の品番でCD化された。
CDの発売週はマイケル・ジャクソンのスリラーに抜かれたために2位だったが、翌週に邦人アーティストとしては初のオリコンCDチャートの1位に輝き、3週にわたって1位を独占する。
1989年の6月1日には収録曲と曲順を変更したリマスター盤を発売。1991年には元の曲順でCD選書で再販された。1997年にはMD選書でMD化もされている。 また、発売から20年経過した2004年3月21日にはボーナストラックを追加した20周年記念盤のCDも発売された。
しかしながら、再販盤以降は全ての盤でレイクサイド ストーリーのエンディングがカットされたヴァージョンとなり、今では初版盤はプレミアと化している。 レイクサイド ストーリーのエンディングのカットに関しては現在でも賛否があるが、大滝自身がソロ活動に終止符を打つ、松本との決裂を意味するものであったなどの理由から刻まれていたフィナーレの為に現在はカットされていると言われる。その為にこのエンディング付きバージョンの収録された35DH 78のCDは極端に数が少なく現在はプレミアアイテムとなっている。
一般に前作A LONG VACATIONの続篇と捉えられる作品ではあるが、大滝自身はこのアルバムを一つのストーリーとして製作していた為に世間での受け入れ方にはやや難色を示す。
このアルバムの発売後に歌手としての活動を休業することを宣言している。その為にこのアルバムに収録されている楽曲は現在までにライブで披露されたことは一度もない。
ジャケットのイラストは河田久雄氏によるもの。
なおアルバムタイトルの「EACH TIME 」(イーチタイム)は大滝がラジオDJ等で自分のことを「イーチ オータキ」と名乗っていたことに由来する。
2007年現在、この「EACH TIME 」以降、大滝はオリジナルアルバムをリリースしていない。
目次 |
[編集] 発売までの経緯
- もともと1年前の1983年、大滝の誕生日に発売するはずであったが、製作過程で不満が生じ、レコーディングを全て破棄したために発売が延期されたという経緯がある。
- お詫びの意味を込めてその年の西武球場スーパーフェス '83(ALL NIGHT NIPPON SUPER FES. '83 ASAHI BEER LIVE JAM)にレコーディングメンバー全員で出演。
- 本来EACH TIMEのお披露目ライブだったとも言われるこのライブへの出演はソロ歌手「大滝詠一」としては結果的に最後のものとなった。
- このライブではA LONG VACATIONやNiagara Triangle Vol.2の楽曲を中心に演奏しつつ、当時薬師丸ひろ子に提供し大ヒットを記録した「探偵物語」、「すこしだけやさしく」や森進一に提供した冬のリヴィエラの大滝版「夏のリヴィエラ」を演奏。
- この頃のライブでは自身が提供した曲がヒットし始めたこともあり、セルフカヴァーを多く披露していた。西武球場ライブの1年半前に行われたヘッドフォンコンサートでは松田聖子に提供した「風立ちぬ」をセルフカヴァーしている。
- 発売前はこれらの動きから「風立ちぬ」や「探偵物語」がNEWアルバムの収録曲か?とも言われていたが、結局ライブのみでの披露となった。このうちで「夏のリヴィエラ」のみは後にSNOW TIMEでスタジオRECされたヴァージョンが聴ける。
- また、発売の2ヶ月前にNHK FMにてOAされた発売前インタビューと共にかかっていたEACH TIMEアウトテイク音源は20th盤でCD化かと言われたが、未だにCD化されていない。
[編集] オリジナル盤収録曲
A面
- 魔法の瞳
- 夏のペーパーバック
- 木の葉のスケッチ
- 恋のナックルボール
- 銀色のジェット
B面
- 1969年のドラッグレース
- ガラス壜の中の船
- ペパーミント・ブルー
- レイクサイド ストーリー
All Songs Written by 松本隆 & 大瀧詠一
[編集] 1989年盤
- 1969年のドラッグレース
- Bachelor Girl
- ペパーミント・ブルー
- 恋のナックルボール
- 銀色のジェット
- 夏のペーパーバック
- 木の葉のスケッチ
- フィヨルドの少女
- レイクサイド ストーリー
オリコン週間LPチャート第1位 1984年4月2日付~1984年4月16日付 (3週連続) |
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前作: 松田聖子 『Touch Me』 |
大滝詠一 『EACH TIME』 |
次作: マイケル・ジャクソン 『スリラー』 |
[編集] EACH TIME SINGLE VOX
「シングルヒットがなければアルバムは売れない」という当時の業界の定石を覆すという挑戦のために EACH TIMEからはシングルカットされた作品が一枚もないということから作られた限定BOX。 全て透明盤の12インチレコードで構成され、桜色のジャケットが付いている。 EACH TIMEの楽曲には予め製作段階から2種類のマスターが作られていたためにこちらではその別ヴァージョンが使用されている。
もっとも大きく変更されているのが魔法の瞳と恋のナックルボールで、前者はロングバージョンになり、後者はSEなどが変更されている。
これとほぼ同じマスターを使用した楽曲を収録したものがcomplete EACH TIMEに収録される。
その為にほぼ全ての音源がCD化されているが、ペパーミント・ブルーのインストルゥメンタルのみは未だにCD化されておらずこのVOXのみに収録されている。
[編集] 内容
夏のペーパーバック/木の葉のスケッチ
1969年のドラッグレース/銀色のジェット
魔法の瞳/恋のナックルボール
レイクサイド ストーリー/ガラス壜の中の船
ペパーミント・ブルー/ペパーミント・ブルー(Instrumental) ●大滝詠一楽団
All Songs Written by 松本隆 & 大瀧詠一
complete EACH TIME | ||
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大滝詠一 の アルバム | ||
リリース | 1986年6月1日 | |
ジャンル | J-POP | |
時間 | 50分12秒 | |
レーベル | CBSソニー | |
プロデュース | 大瀧詠一 | |
レビュー | ||
最高順位14位、累計売上6万枚(オリコン) |
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大滝詠一 年表 | ||
SNOW TIME (1985年) |
complete EACH TIME (1986年) |
大瀧詠一作品集VOL.1 (1980-1985) (1991年) |
[編集] complete EACH TIME
EACH TIMEの発表時、収録時間やカッティング技術の問題、構成上の理由から収録できなかった「Bachelor Girl」と「フィヨルドの少女」を追加収録し、1986年に発売された完全盤。 これによってナイアガラカレンダー的な流れが生まれたために収録曲の曲順も一部変更されている。 CD盤はEACH TIME SINGLE VOXに使用されたヴァージョンが使用されたために、楽曲の長さや構成が異なる。 ジャケットに描かれたcompleteの文字は大滝自筆のもの。
LP盤は50分12秒というナイアガラで最も長い収録時間となり、また初の長時間録音盤となっている。それによりややカッティングレベルを抑えて収録してある。
あまり長い間出回ることがなく、現在はレアアイテムの一つとなっている。
なお、魔法の瞳以外の楽曲でオリジナル盤のマスターを使用し、これと同じ収録曲のものにボーナストラックを追加収録したものが20周年記念盤となる。
[編集] 収録曲
A面(カセット,LP)
- 夏のペーパーバック
- この作品においてはイントロ部分を始めとして楽器がやや少なめに構成されている。このバージョンは後にB-EACH TIME L-ONGにも使用されている。
- Bachelor Girl
- 魔法の瞳
- この盤で使用されたものは歌詞が加筆されているロングバージョンとなっている。このバージョンは後のEACH TIMEにおけるスタンダードバージョンとなり、以後初版のEACH TIMEで使用されたバージョンは使われなくなった。加筆された「ブルーの夜明けまで」からサビ繰り返し部分の歌詞は何故か歌詞カードに載せられていない(後の20周年盤ではきちんと載せられている)。
- 木の葉のスケッチ
- この作品ではエンディングをフェイドアウトさせないバージョンが使用されている。
- 恋のナックルボール
- 銀色のジェット
B面(カセット,LP)
- 1969年のドラッグレース
- ガラス壜の中の船
- ペパーミント・ブルー
- レイクサイド・ストーリー
- よく聴かなければわからないが、やや後奏の楽器が小さめに抑えられている。この盤からレイクサイド・ストーリーはエンディングがフェイドアウトするバージョンで固定され始めた。
- フィヨルドの少女
All Songs Written by 松本隆 & 大瀧詠一
EACH TIME 20th Anniversary Edition | ||
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大滝詠一 の アルバム | ||
リリース | 2004年3月21日 | |
ジャンル | J-POP | |
レーベル | Sony Records | |
プロデュース | 大瀧詠一 | |
レビュー | ||
最高順位39位、累計売上2万枚(オリコン) |
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大滝詠一 年表 | ||
A LONG VACATION ~20th Anniversary Edition~ (2001年) |
EACH TIME 20th Anniversary Edition (2004年) |
Niagara Moon 30th Anniversary Edition (2005年) |
[編集] EACH TIME 20th Anniversary Edition
2004年3月21日にEACH TIMEのオリジナル盤発売から20周年を記念して「ナイアガラ不滅プロジェクト」の20周年企画のラストを飾るものとして発売された。 CDの包装には「Final EACH TIME」と銘打ったシールが張られているほか、全曲にリマスタリングを施され今までのEACH TIMEの中では最高の音質を誇るものとなった。 またもや曲順の変更が行われているほか、魔法の瞳がcomplete盤収録のロングバージョン(完成版ということか?)に差代わり、Cider'83、恋のナックルボール(1st Recording Version)、マルチスコープの3曲がボーナストラックとして追加収録されている。 また、この盤が発売されるまで入手困難な状態にあったBachelor Girlとフィヨルドの少女もリマスタリングされ収録されている。
しかしながらファンが望んでいたレイクサイド ストーリーの大エンディングバージョンはまたも収録されず、ラジオで流れていたバックトラックも収録されないままになっている。
レコード雑誌やCDの包装にもあるとおり大滝曰くこれが「FINAL盤」となるのだが、ファンの間では早くも30周年盤に期待を寄せている人もいるようである。
なお、ボーナストラックのうちCider'83はナイアガラ CM スペシャルで、マルチスコープはゆらりろというタイトルで大瀧詠一作品集 VOL.2に既に収録されCD化済の楽曲である。 恋のナックルボール(1st Recording Version)のみ今回初収録の未発表音源となっている。
[編集] 収録曲
- 夏のペーパーバック
- Bachelor Girl
- 木の葉のスケッチ
- 恋のナックルボール
- 銀色のジェット
- 1969年のドラッグレース
- ガラス壜の中の船
- ペパーミント・ブルー
- 魔法の瞳
- レイクサイド ストーリー
- フィヨルドの少女
- Cider '83 (Bonus Track)
- 恋のナックルボール(1st Recording Version) (Bonus Track)
- マルチスコープ (Bonus Track)
All Songs Written by 松本隆 & 大瀧詠一
Except 12 & 14 Write 伊藤アキラ Song 大瀧詠一
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この「EACH TIME」は、アルバムに関連した書きかけ項目です。加筆、訂正などして下さる協力者を求めています。(Portal:音楽 Wikipedia:ウィキプロジェクト アルバム) |