J-8 (航空機)
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J-8(殲撃八型、Jian-8、歼-8)
J-8(殲撃八型、Jian-8、歼-8)は、中華人民共和国の戦闘機。NATOコードネームは「フィンバックA」(Finback-A)。
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[編集] 概要
MiG-21を国産した戦闘機であるJ-7の拡大型で、瀋陽の第601航空機設計所によって設計、瀋陽航空廠(SAF:Shenyang Aircraft Factory、現在の瀋陽航空機工業(SAC))によって製造された。
機体を拡大することで双発化し搭載機関砲を30mmに変更、さらに搭載機器の近代化などが図られ、一線級の全天候戦闘機を目指して開発が進められた。しかし、機体外形はJ-7をそのまま大型化してエンジンを1基増やしただけのものでありながら、それでも開発段階では基礎的技術力の不足が顕在化し、搭載する電子機器の開発遅延もあって計画は大幅に遅れた。1964年より開発が開始され1969年に初飛行に成功したものの、配備開始は1980年にまでずれ込み、配備時点で既に旧式化しており全天候性能すら有していなかった。そのため、近代化と大幅な改設計が行われた。前者が、1981年に初飛行した近代化型のJ-8Iであり、後者がJ-8IIである。
J-8開発中も継続されたJ-7の性能向上とJ-8IIの完成により、生産は少数に留まり、1987年に打ち切られた。生産された少数のJ-8は、近代化型のJ-8Eに改修され、さらに一部が偵察型のJZ-8(J-8R)に改修されている。
[編集] スペック(J-8I)
- 翼幅:9.34 m
- 全長:21.52 m
- 全高:5.4 m
- エンジン:渦噴7Aターボジェットエンジン 2基
- 推力(アフターバーナー未使用):8,600 kg/s
- 推力(アフターバーナー使用):12,000 kg/s
- 最高速度:マッハ 2.2 (2340 km/h)
- 実用飛行上限高度:20,500 m
- 乗員:1名
- 固定武装:23 mm機関砲 2門
- 武装:PL-2、爆弾、ロケット弾、増槽
[編集] 派生型
- J-8:最初の量産型。昼間戦闘機。
- J-8I:全天候型にして、量産型。23mm機関砲に変更。
- J-8E:J-8Iの近代化型、電子機器を更新。既存機の改修。
- JZ-8:J-8R、既存機の改修により製造された偵察型。
- J-8ACT:フライ・バイ・ワイヤ試験機。
- J-8II:改設計型。