KURAU Phantom Memory
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KURAU Phantom Memory(クラウファントムメモリー)はアニメ作品。2110年の地球を舞台に、主人公のクラウと、リナクスと自称する未知の知性体とのかかわりを描く。
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[編集] 放映・配信
[編集] あらすじ
西暦2100年。世界は生活圏としての都市「メトロポリス」とライフラインとしての生産層「エコロジア」に区別されていた。そこでは互いが互いを助け合い、戦争や貧困をもはや過去のものとしていた。人々が暮らすメトロポリスでは、地上400mを誇る超高層ビル群と重力制御によるエアカーを主流とした交通により、ストレスの無い理想の社会を形成していた。その一方で、人類は宇宙へと進出し、月に都市を建て、更なる外宇宙進出を計画していた。
次世代エネルギーの研究者である天箕博士は、月面にある基地で研究チームと共に原子衝突実験を行っていた。しかし、その最中に、突如実験装置から飛び出した2つの光が天箕博士の娘、天箕クラウに衝突し、彼女の体を分解してしまった。しかし、その光は再びクラウの姿を形作り、クラウは「リナクス」として蘇る。ただ、もう1つの光の行方は誰にも分からないままであった。
リナクスとして蘇ったクラウには特別な力が宿っていた。「リナクスの力」を使い、より速く走り、より多くの力を使い、そして空さえも飛べる。そんなクラウのリナクスの力に研究者達は驚き、さらなる研究を進めようとする。しかしそのような娘の姿を見て、天箕博士は呟く、「私の娘を返してくれ」と。そう、彼女はクラウの姿を借りてはいるが、「リナクス」なのだった。どうすれば「クラウ」にこの体を返せるのか「リナクス」本人も分からなかった。
それから10年後。クラウはリナクスの力を隠しながら、悪を取り締まるエージェントとして日々を送っていた。そんなある日、クラウの中からもう1つの光の対である少女「クリスマス」が現れる。
[編集] キャラクター紹介
- クラウ(声:川澄綾子)
- 本作の主人公。天箕博士の一人娘。ボーイッシュな外見が特徴。12歳の時、父の研究所の事故で起こった事故に居合わせ、そこで発生したリナクスの光がぶつかりリナクス人間となる。その後「エージェント」となり業界内では有名な存在になるが、リナクスのことは秘密にして過ごしている。常に対のことを思い10年間を過ごしてきたので、性格は明るいとは言えない。だが、クリスマスと出会うことで次第に暖かい表情に変わっていく。
- クリスマス(声:小林美佐)
- クラウと「対」のリナクス。見た目は12歳の時のクラウに瓜二つ。クラウが22歳の時にクラウの身体の中から生まれる。運動神経等に秀でていないが、日常生活の中で家事や料理が得意。クリスマスの誕生からストーリーが始まり、終わるので実質的にはクリスマスが主人公とも言える。
- 天箕 創(声:小形満)
- クラウの父親であり、次世代エネルギーの研究者。西暦2100年に起きた実験事故により娘・「天箕クラウ」がリナクスの人格に変貌してしまった事に衝撃を受ける。初めはリナクスになったクラウを受け入れることが出来ずに苦悩するが、徐々に愛情が芽生えていく。
- ダグ(声:志村知幸)
- 身長190cm非常に大柄で優秀な「エージェント」。別居中の妻子あり。訳があり当初はクラウを監視していたが、後々彼女を助けていく存在になる。
- アヤカ(声:甲斐田裕子)
- GPOに属し、クラウを捕らえようと必死になっている。仕事に対して強い責任感を持ち、世の悪しき事を憎んでいる。危険な力を持つクラウに対して感情的になることがあるが、それは彼女の過去と関係があるようだ。
- イヴォン(声:入野自由)
- ジェシカ(声笠原弘子)
[編集] 用語解説
- 未来都市メトロポリス
- 人類が作り出した理想の都市で、人々が生活する為の場所。ここでは、地上400mを誇る超高層ビル群が立ち並び、エアカーを主流とした交通により、ストレスや貧困のない平和で安定した社会を形成している。
- エコロジア
- メトロポリスのライフライン的存在で、食料庫の役を担う場所。ここで生産された食物は全てメトロポリスへ輸出されている。
- リナクス
- 未知のエネルギー。本来は原子の中にある極小空間に存在しており、常に広い世界へ出て行こうとする性質を持つが、あらゆる物を原子に分解する(要は消滅)力があり、一度溢れると、その勢いは収まらない。人間がこの力に触れると大抵は原子に分解されるが、稀にリナクス人間となり、並外れの運動神経や飛行、物質を通り抜ける等といった特殊能力を持つ事がある。因みにリナクスには必ず「対」が存在し、リナクス人間は常に「対」のことを気にしており、それを失うと不安定になる。
- エージェント
- 警察の手の届かない犯罪、悪事を取り締まる職業のこと。
- GPO
- 正式名称は、「Global Police Organization(国際警察機構)」。世界規模の警察組織。月に本部を設置しており、地球の各地に支社が置かれている。
[編集] スタッフ
- 原作:BONES
- 企画:永田勝治、南雅彦
- 監督:入江泰浩
- 監督参謀:武井良幸
- シリーズ構成:吉永亜矢
- 脚本:吉永亜矢、玉井☆豪、鈴木やすゆき、吉田伸、入江泰浩
- キャラクターデザイン:尾崎智美
- メカニックデザイン:鈴木雅久
- セットデザイン:武半慎吾
- 美術監督:市倉敬
- 色彩設計:歌川律子
- 撮影監督:大神洋一
- 音響監督:若林和弘
- 音響制作:フォニシア
- 音楽:勝木ゆかり(S.E.N.S.)
- プロデューサー:南雅彦、堀内麻紀、佐々木史朗、中嶋嘉美、シュレック・ヘドウィック
- 制作:tv asahi
- 製作:ボンズ、メディアファクトリー、ビクターエンターテインメント、ビッグショット
[編集] 主題歌
[編集] サブタイトル
- 01st Reaction 「広い世界へ…」
- 02nd Reaction 「何か、いい言葉」
- 03rd Reaction 「追う者たち」
- 04th Reaction 「夜を越えて」
- 05th Reaction 「迷い子」
- 06th Reaction 「光る雨」
- 07th Reaction 「新しい暮らし」
- 08th Reaction 「もうひとつのクリスマス」
- 09th Reaction 「天使が消えた街」
- 10th Reaction 「眠り姫」
- 11th Reaction 「呼び合う声」
- 12th Reaction 「いまここにいる」
- 13th Reaction 「守るべきもの」
- 14th Reaction 「昨日・今日・明日」
- 15th Reaction 「アゲハ蝶の不安」
- 16th Reaction 「丘の上の墓標」
- 17th Reaction 「霧の中」
- 18th Reaction 「来訪者」
- 19th Reaction 「それぞれの道」
- 20th Reaction 「窓をひらいて」
- 21st Reaction 「凍りついた河」
- 22nd Reaction 「闇に瞬く」
- 23rd Reaction 「最後の光」
- 24th Reaction 「さよならの前に」
[編集] 関連商品
- 漫画KURAU Phantom Memory(全一巻) 星 樹 (著) 2005年5月23日発売
- 小説クラウ ファントムメモリー〈1〉 富永 浩史(著)2004年8月発売
- 小説クラウ ファントムメモリー〈2〉 富永 浩史(著)2005年2月発売