PK戦
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PK戦(ぴーけーせん)とは、サッカーで定時の試合終了後、または延長戦終了後、行うものである。どちらかを必ず勝者にしなければならない場合に行われる。英語では"penalty shootout"(PSO) と呼ぶ。
大会によって異なるが、主にトーナメント戦で行われる。
- (例)
- 高校サッカー選手権:前後半戦終了後(決勝戦は延長戦後)
- ワールドカップ:決勝トーナメントで延長戦後
※日本サッカーリーグ→Jリーグでは1991年のコニカカップと1992年のナビスコカップで、1人目からサドンデス方式で行ったことがあった。
この方式が導入される以前は勝負が決まるまで再延長(再々延長)をくり返したり、後日の再試合またはコイントスなどの抽選で勝ち上がりチームを決定していた。また、後述する方法と異なるシュートアウトと呼ばれる方式があり、キッカーとゴールキーパーの1対1の勝負をPKの代わりに行う。
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[編集] 進め方
まず、主審がキックを行うゴールを選ぶ。次に、主審がコインをトスし、トスに勝った主将のチームが先に蹴るか後に蹴るかを決める。主審は行われたキックの記録をつける。下記条件に従って、両チームが5本ずつのキックを行う。
- キックは両チーム交互に行う。
- 両チームが5本のキックを行う以前に、他方が5本のキックを蹴っても挙げられない得点を一方のチームが挙げたときには、以後のキックは行わない。
- 5本ずつのキックの後に両チームの得点が同じである場合は、同数のキックで一方のチームが他方より多くの得点を挙げるまで、それまでと同じ順序でキックを続ける(いわゆるサドンデス方式の一種)。
- ゴールキーパーがペナルティーマークからのキックの進行中に負傷して、ゴールキーパーとしてプレーが続けられなくなったときには、そのチームが競技会規則に定められた最大数の交代を完了していない場合は、氏名を届けられている交代要員と交代することができる。
- 一方のチームが相手チームより競技者が多い人数で試合が終了したとき、競技者のより多いチームは相手チームの人数と等しくなるように競技者数を減らす。除外するそれぞれの競技者の氏名と、背番号を主審に通知する。チームの主将がこの責任を持つ(例えばAチームが11人全員が揃っているのに対し、Bチームは退場者が出たことで9人しかいない場合はAチームはそのメンバーの中から9人を選ぶ。即ち2名はPK戦に出場できない)。
[編集] 歴史
1970年のワットニー杯、ハル・シティとマンチェスター・ユナイテッドの試合において、初めてPK戦が行われ、マンチェスター・ユナイテッドが勝った。 初めてのキッカーはジョージ・ベストであった。
主要な国際大会の決勝戦で優勝チームを決めるために、 PK戦が初めて導入されたのは、1976年のEuro 76 チェコスロバキアと西ドイツの試合であった。5-3で チェコスロバキアが勝利した。 en:Penalty_shootout_(football)(18:20, 31 Dec 2005) より、一部翻訳
ちなみに、W杯での初めてのPK戦は1982年 ワールドカップ準決勝、西ドイツとフランスの試合で、西ドイツが勝利を収めている。(この時、日本でもおなじみのピエール・リトバルスキーが、西ドイツのキッカーとしてPKを決めている。)ワールドカップではドイツ(西ドイツ)がPK戦に4戦4勝している。逆にイングランドは3戦全敗。
[編集] 過去の劇的なPK戦
- 1982年 ワールドカップ準決勝 西ドイツ 対 フランス
- 1990年 ワールドカップ準々決勝 アルゼンチン 対 ユーゴスラビア
- 1994年 ワールドカップ決勝 ブラジル 対 イタリア
- 2002年 ワールドカップ決勝トーナメント1回戦 スペイン 対 アイルランド
- 2004年 アジアカップ準々決勝 日本 対 ヨルダン
- 2005年 UEFAチャンピオンズリーグ決勝 リヴァプール 対 ACミラン
- その他のPK戦の記録
[編集] 名称の由来
PKという言葉は「ペナルティキック(Penalty Kick)」の略称である。これは上述のように、ペナルティキックと同じ位置および方法によってキックを行うことから来ていると考えられるが、PK戦におけるキックは反則によって与えられるものではないため、正確にはサッカーのルールにおけるPKを行っているわけではない。ルール上ではペナルティーマークからのキック(kicks from the penalty mark)と呼ぶ。