POSIX
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POSIX(ポジックス、Portable Operating System Interface)とは、異なる実装のUNIX OSに共通のAPIを定め、移植性の高いUNIXアプリケーションソフトウェアの開発を容易にすることを目的としてIEEEが策定したアプリケーションインタフェイス規格。POSIXの「X」はUNIX互換OSにXがつく名前が多いことからつけられたもの。
規格の内容はカーネルへのC言語のインタフェースであるシステムコールに留まらず、プロセス環境、ファイルとディレクトリ、システムデータベース(パスワードファイルなど)、tarのアーカイブフォーマットなど多岐にわたる。ただし、単にPOSIXといった場合は、システムコールとライブラリ関数を規定したPOSIX.1 (IEEE Std 1003.1) を指す。
C言語のシステムコールとライブラリ関数を規定した有力な規格としては、他にANSI/ISO CとSUS(Single UNIX Specification、XPG4の後継)があるが、各規格の立場の違いにより、これらに含まれる関数の種類には差がある。集合の記号で表すと、ANSI/ISO C ⊂ POSIX.1 ⊂ SUS となる。
UNIX系OS以外でも、Microsoft Windows NTはPOSIX 1.0に準拠しているPOSIXサブシステムを搭載しており、POSIXアプリケーションをそのサブシステム上で実行できる。WTO/TBT協定では、非関税障壁として工業製品は国際規格を尊重して仕様を規定することを提唱しているため、米国政府機関のコンピュータシステム導入要件(FIPS)でPOSIX準拠であること規定したためである。Windows 2000までPOSIXサブシステムを搭載していたがWindows XPで廃止し、SFU 2.0に同梱のInterixサブシステムに役割を譲った。
Linuxの国際標準を制定するにあたり、LinuxとPOSIXの差に関するTRを作成している。
[編集] 関連項目
- Linux
- NIST POSIX Test Suite(POSIX 1990 version)http://www.itl.nist.gov/div897/ctg/posix_form.htm