PSX
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PSX(ピーエスエックス)はソニーが発売するハードディスク搭載DVDレコーダーである。
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[編集] 概要
SONY製品・PSXは単なるハードディスク搭載DVDレコーダーとしてだけでなく、プレイステーション及びプレイステーション2用のゲームもプレイ可能(但し、プレイステーション2よりもゲーム読込速度は劣る)。イーサネットポートも搭載しており、ネットワークゲームもプレイ可能である。操作性は直感的な操作ができるXMBを初採用。ハードディスクの容量は250GBのモデルと160GBのモデルがあり、どちらのモデルも40GBをゲーム側に割り当てることによりPlayStation BB Unitと同等の機能を持たせることもできる(但し、DESR-5500・7500モデル以降PlayStation BB Navigator非対応となった)。
快適に操作できるグラフィカルユーザインターフェースを実現させるため、子会社であるソニー・コンピュータエンタテインメントのプレイステーション2の技術を搭載している。
なお、コントローラポートは背面にあり、コントローラについてもケーブルの長い(4m)専用のものを使う必要がある。その他、USBポートが1つしかない、メモリースティック用スロットがある、ポケットステーションに非対応(メモリーカード差込口の形状から来る物理的な制限のため、ポケットステーションのカバー部を外せば使用可能。ただし、この場合ポケットステーションを破壊する事になるので自己責任にて行なう事)などの相違がある。
[編集] 仕様
DESR-5000 DESR-7000、DESR-5100 DESR-7100、DESR-5500 DESR-7500、DESR-5700 DESR-7700
- CPUおよび描画プロセッサー:90nm EE+GS
- 記録可能メディア:HDD、DVD-R、DVD-RW、DVD+R、DVD+RW
- 再生可能メディア:DVD-VIDEO、DVD-R、DVD-RW、DVD+R、DVD+RW、音楽CD、CD-R、メモリースティック、PlayStation規格CD-ROM、PlayStation 2規格CD-ROM/DVD-ROM
- 高画質・高音質化回路:3次元Y/C分離、ビデオD/Aコンバーター(12ビット 108MHz)、ゴーストリダクションチューナー、オーディオD/Aコンバーター
- 入出力端子:D端子出力(D1/D2)×1、コンポジット映像/S映像(S1)/ステレオ音声 出力端子×1、コンポジット映像/S映像/ステレオ音声 入力端子×1、光デジタル音声出力(S/PDIF)×1、Ethernet 100 BASE-TX ×1、USB(Ver. 1.1)端子×1、メモリースティック挿入口×1、PlayStation, PlayStation 2用メモリーカード差込口×2、コントローラ端子×2
- 大きさ:312×88×323mm(幅×高さ×奥行)
[編集] その他
PSXのために開発されたインターフェースメニュー「クロスメディアバー(XMB)」について、ソニー内の製品(PSP・PS3・au向け携帯電話・スゴ録・薄型テレビなど)に統一されて利用されている。
DESR-5000・DESR-7000が発売直前になり検証が出来てない機能のみ実装しない状態での販売になるとアナウンスされた。その後のファームウェアアップデートでその機能が実装されることになったもののこれらがPSXのイメージダウンへ繋がる結果となってしまった。
当初の予定ではPSXの本体カラーを5色別に発売する予定であったが同社が発売したスゴ録に人気が集まってしまい、結局本体カラーはホワイトとシルバー(DESR-5100のみ)だけとなってしまった。ソニーではスゴ録よりもPSXに力を入れていたものの、スゴ録が爆発的ヒットしスゴ録が主流となる結果になった。余談ではあるが、PSXとスゴ録は同時に開発チームが組まれスゴ録の開発チームはごく少数であったとされ、逆にPSXは久夛良木健指揮の下に大プロジェクトとして大人数の開発チームが組まれた。スゴ録ヒット後に出されたPSXにもその影響を受け、初期のスゴ録とほぼ同等の機能が追加された。
ちなみに2004年9月ごろにDESR-5100の価格を当時のHDD・DVDレコーダーでは珍しい4万円台にまで価格を下げたことがネット掲示板などで話題となり、その頃から飛ぶように売れ発売から半年後に家電量販店などではDVDレコーダーの月間売上1位を獲得し、HDD・DVDレコーダーの普及に役立ったと言われている。
しかしその後売り上げは急速に失速。スゴ録や他社のHDD・DVDレコーダーが出回り価格も下がったことでPSXが一般的な層には全くヒットしなかったことが大きな要因であり、ソニー商法とも呼ばれる出荷調整による人工的な品薄作戦もそれに追い討ちをかけた。初期に購買した「PSXを」というマニア層ではなく「HDD・DVDレコーダーを」買いに来る一般的な層では、ゲーム機能などどうでも良い上にPS2自体の普及率も高いこと、逆にゲーム機能を嫌がる中高年層に対して売り込むことが出来なかったのである。それにより売り上げ急落に伴い店頭からほぼ消滅。ソニー自身がPSXの大きなウリであるアップデートを事実上放棄するに至り、PSX保有者のソニーに対する懸念は不信の域に達した。
2005年2月、PSXのホームページ上にて2004年12月に発売されたばかりの新機種に「生産完了」の文字が記載された。翌3月には、一貫してPSX プロジェクトを推進してきた久夛良木健副社長が解任され、PSPとの連係機能も2005年11月に発売されたスゴ録に機能を改良して搭載され、更にはPSX開発陣をスゴ録開発陣が合併しスゴ録を中心にソニーはHDD・DVD(ブルーレイ)レコーダを動かしており、PSXの今後については不明である。
余談ではあるが、PSX発売時にビッグカメラ有楽町店で写真撮影を行っていた日本経済新聞社子会社の日経BPの記者が自らPSXを購入し、「報道」と書かれた腕章が写っているにも関わらずPSXを掲げた写真が撮られ、日本経済新聞の記事に「PSXが発売。PSXを買い求める男性」と、その写真と共にその記事が出てしまった。「報道」と書かれた腕章が写っていることから、日本経済新聞社の自作自演の記事だと批難が集中し、後にその記事が日本経済新聞社がこれが記者であることを認め、謝罪するまでに至った。[1]
[編集] 本体バリエーション
- 「DESR-5000(160GB)」「DESR-7000(250GB)」
- 2003年12月13日に発売された最初のモデル。
- 「DESR-5100(160GB)」「DESR-7100(250GB)」
- 2004年7月1日発売。DESR-5100については、台数限定でシルバーモデルも用意された。ハードウェアの変更はない。またアンテナの分配器が付属するようになった。
- 「DESR-5500(160GB)」「DESR-7500(250GB)」
- 2004年12月10日発売。大幅にソフトウェアとハードウェアが変更された。従来はHDDの容量の違いのみだったが、上位モデルのDESR-7500だけDV端子を付属させデジタルビデオカメラの映像取込・編集やGRT、BSアナログチューナを搭載する(但し、下位機種のDESR-5000・7000やDESR-5100・7100にはGRT、BSアナログチューナは搭載されている)。また、アンテナ線のスルー出力端子を搭載するようになった。ソフトウェア方面は録画機能に「x-おまかせ・まる録」が追加され、同社のスゴ録などのおまかせ・まる録機能と同様になった。但し、この機種よりPlayStation BB Navigator非対応となった。
- 「DESR-5700(160GB)」「DESR-7700(250GB)」
- 2005年4月15日発売。前機種からの違いは、録画した番組をPSPで再生できるビデオフォーマット(MPEG-4/AACステレオ)に変換できること。
[編集] バージョンアップ履歴
発売当初、動作検証不足などを理由に仕様の変更が行われており、後日、無償アップグレードで正式な仕様に近づいた。DESR-5100とDESR-7100については発売時より「2004年8月3日」の最新の状態になっていた。
[編集] 「DESR-5000」と「DESR-7000」
- 2004年2月10日
- HDDからDVDへのダビング速度が最大24倍速に向上
- 音楽フォーマットMP3対応
- 延長録画時の再延長設定が可能
- フラッシュ機能(15秒前後早送り/早戻しできる。)
- 早送り、早戻しの30倍速に対応(このアップデートまで早送り/早戻し機能は2/10/120の3段階で使いにくかった)
- ビデオタイトルソート機能
- タイトル入力時のUSBキーボード対応
- その他、不具合の修正
- 2004年3月31日
- DVD+RWの録画・再生
- サイバーショットのGIF形式静止画、動画フォーマットの再生・取り込み
- 1.3倍速の早見再生
- 二カ国語音声録画
- 市販DVDソフトの30倍速早送り/早戻し
- 番組表上での予約修正の対応
- CD-Rからサイバーショットの静止画・動画の再生・取り込み
- CD-R上のMP3認識可能曲数が99曲/1フォルダに増加
- 静止画スライドショー再生時に途中で停止する点の修正
- 2004年7月1日
- PSXの新機種発売。ハードウェア的には何も変更がないが、GUI関係が一新されている。またそれに伴い、旧機種ユーザー向けに、7月15日より第3回目のアップデートが行われる予定であったが、7月12日に8月3日まで延期されることが発表された。
- 余談だが、新機種の発表と、旧機種のアップデートの情報は、6月中旬に行われたが、この数日後から、携帯電話に「PSX「DESR-5100(限定シルバー)」をプレゼント」すると騙ったチェーンメールが流れ、ソニーおよびグループ各社が対応に追われた。
- 2004年8月3日
- グラフィカルなDVDタイトルメニューの作成機能
- DVDへの追記ダビング機能
- 録画モード変更機能
- チャプター編集機能
- PlayStationBBに対応(ただし閲覧のみでコンテンツ内の動画、ゲーム等のダウンロードには対応しない)
[編集] 「DESR-5500」と「DESR-7500」
- 2005年5月17日
- PSPで再生できるメモリースティックビデオフォーマット(MPEG-4/AACステレオ)の変換機能を加える。(ソフトウェアでの変換らしく、録画時間の4~5倍変換に時間がかかり、エンコード中は他の操作ができない。)
[編集] 外部リンク
- PSXホームページ(日本)