S!アプリ
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S!アプリ(エス!アプリ)はソフトバンクモバイルが提供する、yahoo!ケータイ対応携帯電話の一部で実行できるJavaアプリケーションおよびサービスである。 主にゲームなどに利用されている。ボーダフォン時代の旧称はVアプリ。なお、旧J-フォン時代にはJavaアプリという呼称が使われていた。
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[編集] 概要
- S!アプリの実体はEZアプリ (Java)と同様にMIDP(Mobile Information Device Profile)にしたがって作成されたJavaアプリケーションである。
- 50kアプリ(V3.V4.J-0xシリーズ対応)・100kアプリ(V5.V6.J-5xシリーズ対応)・256kアプリ/ver2(V5.V6シリーズ*注1)・メガ(1M)アプリ(SoftBank 3G対応)の5種類があり、容量が多いアプリ対応機は容量が少ないアプリにも対応しているが、SoftBank 3Gではアプリの実行環境が変わり、一部の下位アプリは利用できなくなっている。
- EZアプリ (Java)と比較すると、ゲーム関連の機能を早くから充実していたことなどの理由から、ゲームアプリが充実している。
- 注1:V601NやJ-5x(J-SH53を除く)などは非対応。
- セキュリティの関係上、一般の開発者がS!アプリを公開するためには、アプリゲットS!などのコンテンツアグリケータの審査を受けて、コンテンツアグリケータのサイトでアプリを公開する方式をとる。審査は特別な事情がない限り無料である。
[編集] 沿革
[編集] 特徴
JAVAの実行環境には次の3種類のエディションがある。サーバやエンタープライズ向けのJ2EE、デスクトップ向けのJ2SE、カーナビやモバイル向けのJ2MEがある。 J2MEはJ2SEのサブセットであり、カーナビや携帯電話のような非力なCPUでも動作するように定義されている。 また、J2MEではさらにコンフィギュレーションとプロファイルと呼ばれるものでAPIを定義している。
コンフィギュレーションには次の2つがある。
携帯電話のような非力なCPUを対象とする。 またCLDC1.0とCLDC1.1があるが、CLDC1.0では浮動小数点が使用できなく、1.1では使用できる。 よって3Dグラフィックスの描画等にはCLDC1.1を使用する必要がある。
次項CDCはJava仮想マシンにJ2SEと同様のものを使用するが、 CLDCはより機能を絞った専用仮想マシンを使用する。これは キロバイトのオーダで動作する仮想マシンであることから、KVMと呼ばれる。
- Connected Device Configuration(CDC)
カーナビやセットトップ・ボックスなどの中程度の能力をもったCPUを対象にする。
プロファイルには以下のようなものがある。
- MIDPプロファイル
- DoJaプロファイル
VアプリではMIDP1.0+CLDC1.0とMIDP2.0+CLDC1.1の2つの組み合わせがある。(2006年2月現在) またMIDPおよびCLDCにより定義されたAPIとは別にボーダフォンが独自拡張したAPIも追加されている。 独自拡張したAPIは Sun提供のJ2ME SDK だけではコンパイルできないため、ビルドライブラリに Softbank提供のスタブクラスを追加する必要がある。またアプリの.jadファイルに使用したAPI名を記載する必要がある。
記憶領域はクラスファイルとリソースファイルを圧縮したJARファイルと内容変更可能なレコードストアに割り当てられる。
[編集] JAVA API
[編集] 互換性
EZアプリ(JAVA)もMIDPを採用しているが、KDDI、ソフトバンクモバイルともに独自拡張したAPIを含んでいるため移植時にはソースの修正が必要となる。ただし、プロファイルが異なるDoJaプロファイルよりは比較的修正点が少なくなる。