S-310ロケット
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S-310ロケット(エスさんびゃくとう-)は宇宙科学研究所の開発した観測用の単段式固体燃料ロケットである。南極観測用のロケットS-300の後継機として開発された。プロトタイプのPT-300は1966年に打ち上げられたが不具合が見つかり改善されたのち、S-310-1号機が1975年1月に打ち上げられた。以来、30機以上の打ち上げ実績を誇る。主に上空大気を観測するための理学ミッションに用いられるが、宇宙空間での工学実験を目的とした利用もなされている。
目次 |
[編集] 機体諸元
- 直径:31cm
- 全長:7.8m
- 重量:700kg
- 到達高度:200km
- 飛行時間:300秒
[編集] ミッション
番号 | 打上日 | 発射場所 | 主目的 |
---|---|---|---|
S-310-1 | 1975年1月20日 | 内之浦 | テストミッション |
S-310-2 | 1975年8月30日 | 内之浦 | |
S-310-3 | 1976年8月21日 | 内之浦 | |
S-310-4 | 1977年9月21日 | 内之浦 | |
S-310-5 | 1979年1月31日 | 内之浦 | |
S-310-6 | 1979年1月19日 | 内之浦 | |
S-310-7 | 1979年9月15日 | 内之浦 | |
S-310-8 | 1980年2月2日 | 内之浦 | |
S-310-9 | 1981年1月21日 | 内之浦 | |
S-310-10 | 1981年8月24日 | 内之浦 | |
S-310-11 | 1981年9月7日 | 内之浦 | |
S-310-12 | 1982年9月25日 | 内之浦 | |
S-310-13 | 1983年9月12日 | 内之浦 | |
S-310-14 | 1983年9月16日 | 内之浦 | |
S-310-15 | 1985年2月7日 | 内之浦 | |
S-310-16 | 1986年2月1日 | 内之浦 | |
S-310-17 | 1986年9月6日 | 内之浦 | |
S-310-18 | 1988年1月28日 | 内之浦 | |
S-310-19 | 1989年2月1日 | 内之浦 | |
S-310-20 | 1990年1月27日 | 内之浦 | |
S-310-21 | 1992年1月28日 | 内之浦 | |
S-310-22 | 1994年2月15日 | アンドーヤ(ノルウェー) | オーロラの観測 |
S-310-23 | 1994年11月14日 | アンドーヤ | オーロラの観測 |
S-310-24 | 1996年2月11日 | 内之浦 | 窒素振動温度の観測[1] |
S-310-25 | 1996年8月26日 | 内之浦 | 夏の電離層で電子密度が高くなる現象の観測(SEEK)[2] |
S-310-26 | 1996年8月20日 | ||
S-310-27 | 1998年1月25日 | 内之浦 | [3] |
S-310-28 | 1999年2月2日 | 内之浦 | レーダーサウンダー、蛍光X線分光計の試験[4] |
S-310-29 | 2000年1月9日 | 内之浦 | [5][6] |
S-310-30 | 2002年2月16日 | 内之浦 | 下部熱圏における熱収支と力学の観測[7] |
S-310-31 | 2002年8月3日 | 内之浦 | 夏の電離層で電子密度が高くなる現象の観測(SEEK2)[8] |
S-310-32 | |||
S-310-33 | 2004年8月17日 | 内之浦 | 電離層下部で発生する光の縞模様の観測 |
S-310-34 | 2004年8月9日 | 内之浦 | ソーラーセイル実現に向けた宇宙空間での膜構造物の展開[11][12] |
S-310-35 | 2004年12月13日 | アンドーヤ | オーロラが起こす風の観測[13][14] |
S-310-36 | 2006年1月22日 | 内之浦 | 宇宙空間で網状構造物を展開し、その上でロボットを移動させる[15][16][17] |
S-310-37 | 2007年1月16日 | 内之浦 | 電離層下部で局所的に高温域が発生するメカニズムの解明。[18] |
[編集] 関連項目
- S-210ロケット
- S-520ロケット