Serial Attached SCSI
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Serial Attached SCSI(SAS。読みは「サス」)は、コンピュータにハードディスク等のデバイスを接続するためのインターフェースである。SCSI規格のうちの一つであり、それまでのSCSI規格がパラレル伝送であったのに対し、SASでは(その名前の通り)シリアル伝送となっている。
Ultra320 SCSIの後継にあたる規格であり、それまでのパラレルSCSI同様、主にサーバマシンにて採用されている。
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[編集] 経緯
それまでSCSIはパラレルインターフェースであったが、既にUltra320の時点でかなりの限界が来ていた。Ultra640の実現も不可能では無いにしろ、かなり実現困難な状態にあり、これを実現しようとする事はハードウェアベンダー側にとっても大きな負担であった。この問題を回避するためシリアルインターフェースを採用し、比較的簡単に高速化を狙える道を選んだ。
最初の仕様(SAS v1.0)が2003年頃に登場し、2006年頃から本格的に市場へ参入し始めている。
[編集] 特徴
コネクタにSATAとの互換性があり、SATA規格のデバイスをそのままSASコネクタに接続する事が可能である。(ただしその逆、即ちSATAインターフェースにSASデバイスを接続する事は不可能)
また、従来のパラレルSCSIと比べ、コネクタのサイズが格段と小さくなったこともあり、HDDのサイズがそれまでの3.5インチから2.5インチへと次々と移行しつつある。最終的にはこの2.5インチHDDが主流になると予想されている。
[編集] 規格
- 現在は3Gbit/秒(毎秒300MB。10bit中2bitが制御用に使われるためこの速度となる)の規格のみである。
- 近い将来に6Gbit/秒(毎秒600MB)が、またその先には12Gbit/秒(毎秒1.2GB)の規格が登場する予定である。
- 最大ケーブル長は6メートル
- 1ポート辺りの最大接続数は128台(ただし後述のSAS Expanderを用いる事により約16000台まで接続が可能)
- マルチレーンに対応
[編集] SAS Expander
SASポート数以上のデバイスを接続可能にするためのもの。簡単に言えばLANやUSBのハブのようなものであるが実際にはそれらとは違い、SAS Expanderを多重化する等の事が可能である。