Simulation RPG Construction
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開発元: | Kei |
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最新版: | 2.2.23 / 2007年3月18日 |
評価版: | 2.3.1 / 2007年1月21日 |
対応OS: | Windows |
種別: | シミュレーションRPGエンジン |
ライセンス: | フリーウェア |
公式サイト: | http://www.src.jpn.org/ |
Simulation RPG Construction(しみゅれーしょんあーるぴーじーこんすとらくしょん)は、シミュレーションRPGを制作できるWindows用のフリーウェアである。作者はKei、通称SRC。
目次 |
[編集] 概要
本作は、フリーウェアのシミュレーションRPG製作ツールである。なお、本作はあくまでゲームエンジンであるため単体では動作しない。動作には別途ランタイム、画像ファイル、シナリオデータ(個人作成)などが必要となる。
本作の特徴は、個人でデータの作成及びシナリオの作成が可能な点にある。また、個人で作成したアイコンをはじめとした画像、MIDIやMP3、効果音、インクルードなども使用、配布できる。基本的にアイコンやサウンドなど一部を除いたデータ(データ、シナリオ、インクルードなど)はテキストファイルで構成されているので、Windows標準のメモ帳などでも作成できる。
[編集] 本体
本体は安定版と開発版に分けられている。本体の言語にはVisual Basicが採用されている。
また、公式サイトにてダウンロードできるSRCのバージョンは以下の通りとなっている。
[編集] 安定版
開発版で十分にテストされ、バグフィックスされたもの。バージョン番号の2桁目が偶数になっているものが安定版となる。
- Ver2.2系列最新バージョン
- 現在主流となっている安定版SRCの最新バージョン。
- Ver2.0.34(2005年9月11日リリース)
- Ver2.0系列(前期安定版)の最終バージョン。Ver2.2系列はVer2.0系列との互換性があるので、需要はあまりないであろう。
- Ver2.0.32(2005年6月11日リリース)
- ネイティブコードコンパイルを用いたバージョン。
- Ver1.6.61(2003年5月18日リリース)
- Ver1.6系列の最終バージョン。Ver2.2系列及びVer2.0系列はVer1.6系列とは互換性がなく、また現在もVer1.6系列のシナリオやデータが配布されていることから、需要はそれなりにある。
- Ver1.6.45(2001年12月9日リリース)
- DirectMusicが使用されていないSRCの最終バージョン。DirectMusicの関係でエラーが発生してしまう場合は、このバージョンを用いる必要がある。
[編集] 開発版
次期安定版に向けて開発される本体。主に開発中の機能や変更機能の動作のテストが行なわれる。バージョン番号の2桁目が奇数になっているものは開発版となる。 配布されるデータやシナリオの中には、開発版で動作させることを前提とするものも存在する。
- Ver2.3.1(2007年1月21日リリース)
- 現在の開発版の最終バージョン。
- Ver2.1.16(2005年12月10日リリース)
- 前期開発版の最終バージョン。
[編集] シナリオ
シナリオとは、SRC上で動作し、一つの『ストーリー』として画面上に表示させるものである。主にインターネット上で無償配布されており、その多くは公式サイトなどに設置されたシナリオリンクから入手できる。一方で、僅かながら同人誌即売会をはじめとしたオフラインにおいて配布されていることもある。
[編集] ジャンル
- 巨大ロボットシナリオ
- 巨大ロボット作品をメインとしたシナリオ。スーパーロボット大戦シリーズを参考にできるため、比較的初心者にも作りやすいシナリオ体系であるが、「ロボットもの」という観点上、ユニットが多くなりすぎる傾向が強い。
- 等身大シナリオ
- 等身大作品(=巨大ロボット作品ではない作品、ただしウルトラマンなどは“巨大基準”とされる)をメインとしたシナリオ。等身大作品として扱われる版権作品が世の中にはごまんとあるため、初心者から上級者までシナリオ作成者及びプレイヤーが幅広く広がっているシナリオ体系である。
- 版権シナリオ
- 二次創作にあたるシナリオ。
- オリキャラシナリオ
- 作成者が生み出したオリジナルキャラクターとオリジナルユニットのみ登場するシナリオ。巨大ロボット・等身大を問わず、完全オリジナル作品であればこちらに分類される。
- リレーシナリオ
- 複数のシナリオ作成者が共同で作り上げるシナリオ。飛び入り参加が可能なものと、掲示板などで事前に参加者を集い、順番を割り振って作っていくもの、公募せず知人同士で集まって作っていくものがある。
[編集] ファイル構成
シナリオは主に以下の各種ファイルで構成される。ただし、イベントファイルとマップファイル以外は必ずしも必須ではない。配布側でファイルを用意しない場合はプレイする側で用意する必要があるが、基本的に配布側で用意するのが望ましい。
[編集] イベント
シナリオの根底となるデータファイル。拡張子は「.eve」。このファイルの中でイベントの設置、キャラクターがシナリオ内で喋るセリフ、敵の配置などの設定を行なう。拡張子は違うが、基本的にはテキストファイルと同じなので、Windows標準のメモ帳で編集が可能となっている。ただし、ファイルの容量が膨大になりがちであり、Windows標準のメモ帳では容量の問題上編集できないこともあるので、別の高性能テキストエディタを使用するのが望ましいとされている。イベントファイルはどこに置いても構わないが、「Eve」「Event」などのフォルダを作成し、その中に格納することが多い。
[編集] インクルード
シナリオに組み込んで使用するファイル。シナリオ同様、拡張子は「.eve」となるため、テキストエディタでの編集が可能。
シナリオのシステムを拡充するために利用されている場合が多く、第三者が流用可能なようにして配布されているものも多い。
[編集] 画像
シナリオで使用されるグラフィック。「パイロットアイコン」「ユニットアイコン」「マップチップ」「カットイン」「戦闘アニメ」がある。一部の画像については、使用できる形式がBitmap形式(.bmp)に限定されているが、公式サイトからダウンロードできるプラグインを導入することで、PNG形式(.png)も利用できるようになる。
ユーザーが作成した画像は、ユーザー自身のホームページや有志による投稿サイトに送ることで配布できる。ただし、DVDやゲームなどから吸い出した画像やスキャナやデジタルカメラなどで取り込んだ画像は、著作権の観点上、配布は禁止されている。
- パイロットアイコン
- ユニットの搭乗者の顔グラフィック。グラフィックのサイズは32×32、もしくは64×64となる。
- マップチップ
- マップ上に表示させる地形のグラフィック。グラフィックのサイズは32×32。
- カットイン
- 戦闘時やイベント時に画面上に表示される一枚絵。
- 戦闘アニメ
- 戦闘時に表示される戦闘アニメーションのグラフィック。
[編集] データ
SRCにおけるパイロット、ユニットなどのステータスや武器のアニメーション、効果音などを指定したファイル。
データは全てテキストファイルで構成される。したがって、Windows標準のメモ帳でもデータの編集が可能となっている。テキストファイルは、定められている書式通りであればどのように記述しても構わない。また、本体のバージョンによっては使用できないテキストファイルも存在するので注意が必要である。
データの分類は以下の通りとなっている。
- 巨大データ(メカニック&ジャイアント)
- ロボットVSロボットを想定したデータ。基本的にロボットあるいは機動要塞の類のデータであり、等身大サイズのユニットはあまり存在しない。ガンダムやマジンガーZなどの巨大ロボットものがこちらに分類される。また、実在兵器のデータもこちらに含まれる。
- 拡張データ
- 等身大作品の戦いを想定したデータ。巨大データとは異なり、基本的に人対人、人対魔物などを想定したデータとなっている。また、銀河英雄伝説や星界の紋章などの艦隊戦を中心とした作品や、ウルトラマンやゴジラなどのロボットではない巨大作品、戦隊シリーズなどの「巨大ロボットは出るが、あくまで等身大キャラクターがメインになる作品」も拡張データに分類される。
[編集] マップ
シナリオに関連するマップのデータファイル。SRC本体に付属されているマップエディタから作成できる。拡張子は「.map」。マップファイルはどこに置いても構わないが、「Map」などのフォルダを作成し、その中に格納することが多い。
[編集] BGM
シナリオで使用されるBGM。使用できる形式はMIDI形式(.midi)のみだが、公式サイトからダウンロードできるプラグインを導入することで、MP3形式(.mp3)も利用できるようになる。
[編集] サウンド
シナリオ内で使用する効果音。使用できる形式はWAVE形式(.wav)のみだが、公式サイトからダウンロードできるプラグインを導入することで、MP3形式(.mp3)も利用できるようになる。
[編集] コミュニティ
SRCの特徴的な側面として、コミュニティの運営において、ユーザーが占めるウェイトが非常に大きいことが挙げられる。公式ホームページ(コミュニティ内では本家と呼ばれる)にて入手できるのは、基本的にSRC本体及びそれに付随する最小限の素材のみである。これ以外の各種シナリオや素材をはじめとしたものは、本家に設置されたリンクを経由する形で、有志によるユーザーサイトで提供されている。
特に、シナリオを製作するにあたって必要な素材は、こうしたユーザーによる素材配布サイトの利用が不可欠となる。これらの素材配布サイトは個人運営による小規模なものが多いが、中には不特定多数からの投稿による、大規模なパッケージを配布する開発サイトと呼ばれるサイトも存在する。
こうしたユーザーサイトの中でも最大規模と言えるのが、SRC総合支援センター(通称GSC)である。GSCでは数万に及ぶ素材ファイルの配布の他、シナリオグランプリなどといった催し物の運営なども手がけており、ユーザーサイトでありながら、半ばオフィシャルな性格を有した特殊なサイトとなっている。
このように、ユーザー活動が極めて活発なSRCのコミュニティではあるが、その弊害として敷居が高いという指摘もある。これはSRCの全貌が本家のみでは掴みがたいことや、コミュニティ内のルールが慣習的なものの積み上げによって形作られていることなどが原因となっている。一時期(1999~2004頃)までは2ちゃんねる以上のひどい状況であったことも原因の一つであろう。
[編集] 外部リンク
- SRC -Simulation RPG Construction-(公式サイト)
- SRC総合支援センター(最大手のユーザーサイト)
- SRCマイナーデータ掲示板
- 未完成データを丸投げするデータサイト
- アルファナイズドデータセンター
- ラノベSRC@Wiki
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