Tu-114 (航空機)
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Tu-114 はソビエト連邦で運用された長距離用ターボフロップ旅客機である。NATOコードはCleat。
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[編集] 概要
元となった飛行機は1950年代よりソ連軍によって運用されていたTu-95爆撃機で、これを元に旅客用としてTu-116が製作された。Tu-116は30名搭乗することができ、このテスト結果を元にTu-114Dが製作された。
Tu-114Dとしては1960年10月3日に初飛行し、約30機がアエロフロートで運用された。また日本航空がモスクワ線就航時にアエロフロートとの共同運航で使用した機材もこれであり、機体にJapan Airlinesという文字と日本航空のシンボルマークでもある鶴丸がかかれたものもあった。
またこのTu-114からは早期警戒機Tu-126が開発された。この機体には、新たに軍用の各種機材が積まれている。
この飛行機の外見上の最も大きな特徴は4基の二重反転プロペラで、これによりジェット機に匹敵する速度を生み出していた。また後退翼を装備するなど、ジェット機との共通点も多く見られ、また定員も最大220人と私たちが現在目にするプロペラ機とはスケールの違う物であった。
しかしTu-114は当時の飛行機としては大きすぎ、タキシウェイが通れなかったり、滑走路をうまく回れなかったりした。また機体の脚が長すぎて専用のタラップを用意しなければならなかったりと、運用には苦労する点も多かった。またエンジンの騒音もジェット機に匹敵するほどあったようである。ちなみに同じソ連製のAn-22輸送機にはこのTu-114のエンジンと同じ物が積まれている。
Tu-114はTu-114Dを含め1958年から1965年にかけて製造されたが、1975年にはIl-62の改良型であるIl-62Mが登場した事などにより置き換えられた。現在旅客型は全て引退している。ロシア各地に保存されている機体もある。
[編集] 要目
[編集] Tu-114D
- 全長: 54.10 m
- 翼巾: 51.10 m
- 全高: 15.50 m
- エンジン: Kuznetsov-NK-12MV ターボフロップエンジン×4
- 推力: 14,496 wps
- 乗員: 5
- 座席数: 120-220
- 最大離陸重量: 171,000 kg
- 巡航速度: 870 km/h
- 航続距離: 8,950 km
[編集] 関連項目
カテゴリ: 旅客機 | ソ連・ロシアの航空機