UWAI STATION
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UWAI STATION(上井ステーション)は、新日本プロレス元執行役員でビッグマウスから離脱した上井文彦によるプロレス興行である。
名付け親は共に離脱した柴田勝頼で、当初は「STATION=基地」の意味合いで付けていた。直訳すると「上井駅」になる事から上井は自らを「駅長」と名乗っている。
2006年12月3日に後楽園ホールで旗揚げ。当初は10月8日を予定していた。
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[編集] UWAI STATION概要
ビッグマウスから(建前上は)別々に離脱した上井文彦プロデューサーと柴田勝頼(フリー)が再合体し、新たに「所属選手を持たない、フリープロデューサー上井文彦の新イベント」として発足した。それまでの負債を分裂したBMLに残してきた事から再出発でき、また、柴田と同じく事実上の所属選手であるドン荒川の繋がりで、プチシルマなどの商品で知られるレダをスポンサーに付けた事から、豊富とまでは言えないもののある一定の資金を元にスタートできる事となった。旗揚げ戦が延期になったものの、スポンサー契約のある2007年12月まで後楽園ホールを抑えており、ほぼ毎月のペースで興行を打てる強みがあった。
しかし、上井氏のセンスや手腕が上手く発揮されず、また過去の金銭的負債は排除できても失った人脈や観客は取り戻す事ができず、UWAI STATIONになってからもついてきてくれた選手や観客を随時失っていく事となり、2007年初めにはついにエースの柴田が完全離脱。観客もほぼスポンサー関係者のみとなってしまい、週刊プロレスには「プチシルマステーション」と揶揄されている。
現在はハッスルやインディ団体のコミカルな部分をいいとこ取りしようと狙う「エンターテイメント路線」を迷走しているが、ハッスルどころかインディ団体DDTのデッドコピーとなっている現状である。年末には大会場でのビッグマッチを、メインにザ・ファンクスvsマスクド・ポールスター&マスクド・グランシャリオで行うと公言しているが、実現性は限りなく薄い。
[編集] 開催・カード
[編集] 幻の旗揚げ戦
2006年10月8日後楽園ホール
- 毛利明彦vs村浜武洋
- エンセン井上vs小原道由
- ドン荒川vs菊タロー
ほか柴田勝頼、高山善廣、鈴木みのる等が出場予定だった。
全6試合を予定していたが、門馬秀貴選手に断られ、直前まで予定していたメインの川田vs柴田がまとまらなかったため開催日2日前に断念。「強行しても取ってつけたようなカードになるのでファンに申し訳ない」と延期した。すでに会場使用料を払っていたため予定当日にはシャッターの閉まった後楽園ホールで入場料の払い戻し、もしくは12月3日旗揚げ戦への振り替えを行った。当時はまだ柴田選手目的のファンが多かったため、払い戻しは少なくチケットを振り替える客がほとんどだったという。
[編集] UWAI STATION 旗揚げ戦
2006年12月3日後楽園ホール
- ドン荒川&菊タローvsNOSAWA論外&MAZADA
- 義経vsラッセ
- スコット・ノートンvsⅩ(泉州力&健心)
- ブライアン・ダニエルソンvsフジタ・Jr・ハヤト
- 柴田勝頼vsハワイアン・ライオン
- 高山善廣&鈴木みのる&SUWAvsブルー・ウルフ&後藤達俊&小原道由
ようやく行われた旗揚げ戦もカードが直前まで決まらず、ノアの間接的協力やみちのくプロレスへ柴田選手を貸し出すバーターでの選手参戦によりカードを揃える事ができた。試合前、上井氏が駅長のコスプレをして旗揚げを宣言、これがのちに恒例となる。スコット・ノートン選手の相手が見つからず「ノーギャラでもいいから参戦させて欲しい」とやってきた泉州力選手に好きなパートナーを連れてこさせてハンディキャップマッチをするなど選手集めに苦労したが、スコット・ノートンが連れてきた無名のハワイアン・ライオンが柴田選手と好勝負を演じるなど、一応は格好がついたもののメインに出場した高山・鈴木選手からは「俺たちは新幹線だ、今日はテープカットに来ただけ、各駅停車の駅なら出ない」と興行のスケールや参加選手の質に注文を付けた。
[編集] UWAI STATION 2
2006年12月30日後楽園ホール
- ディック東郷&マグニチュード岸和田vs真霜拳號&房総BOY雷斗
- ドン荒川vsフジタ・Jr・ハヤト
- メカマミーvsUWAI28号
- 毛利昭彦vs飯伏幸太
- ウルティモ・ドラゴン&岡田かずちかvsスペル・デルフィン&タイガース・マスク
- 鈴木みのる&高山善廣vsスコット・ノートン&ハワイアン・ライオン
- 柴田勝頼vs浜中和宏
今回は上井氏が得意とする「因縁の対決」を煽るが、ディック東郷とスペルデルフィンが同じリングに上がる事を強調するも直接絡む訳ではないためインディでは特に珍しくもなく、またウルティモ・ドラゴンとスペル・デルフィンの絡みも因縁付けたものにしたかったが当初予定のシングルすらできず、何の因縁も無い事が試合後明らかになった。第三試合には旗揚げ戦の休憩時間に乱入してきたメカマミーが参戦、話題を呼んだがこれが柴田選手離脱の直接の原因となり、柴田選手のシングルで成り立っていた本イベントはこれ以降窮地に立たされる。初登場の毛利選手や浜中選手の動きが良くメインは素晴らしい試合となったが興行自体に不手際が多くレフェリーがなかなか登場しなかったりリングに不具合が生じるなど問題が目に付いた。客入りも旗揚げ戦の7割程度から5割程度に落ち込み、セミ・メイン以外のカードのてこ入れが急務となったが、そのセミ・メインのカードも次の後楽園大会から深刻なダメージを受けることとなる。
[編集] UWAI STATION Zepp Fukuoka
2007年1月14日Zepp Fukuoka
- ドン荒川vs泉州力
- 健心vs菅原伊織
- エンセン井上vs出田源貴
- メカマミーvsUWAI28号
- 後藤達俊&小原道由vs無法松力&小川栄司
- 獣神サンダー・ライガー&毛利昭彦vsアステカ&KAZE
- 村浜武洋vs浜中和宏
初の地方興行だが、地元プロモーター・無法松力の自主興行に上井氏が看板と選手を貸した格好となる。そのためにセミでは「華☆激・毛利道場提供試合」として上井氏と絶縁状態にある新日本プロレスから獣神サンダー・ライガーを呼ぶことができた。プロレスの試合前には総合格闘技5試合が組まれ盛り上がり、観客もほぼ満員となったものの不参加となった柴田・高山・鈴木みのるの出場を期待して前売り券を買ったファンも多かった事実は否めない。前大会の休憩に乱入した無法松選手は柴田との対決を迫ったが、あまり関係のない小原選手が「柴田とやりたければ俺を倒してから」という因縁が生まれタッグマッチで対戦、今大会を踏まえて次の後楽園大会で柴田選手との対戦を賭けたシングルマッチが決定するも、この大会直後に柴田は上井氏へ週刊プロレス紙上で撤退を宣言し、意味の無いものとなる。メインは前大会で柴田と好勝負を演じた浜中が登場したが、対戦相手が4月にコンディションの悪さからZERO1-MAXを解雇された村浜なだけに不安視されたが予想を覆す大熱戦を演じ、大会は成功を収めた。
[編集] UWAI STATION 3
2007年2月9日後楽園ホール
- ドン荒川vs松永智充
- UWAI231号vsメカマミー
- 小原道由vs無法松力
- ハワイアン・ライオンvsゼウス
- 村浜武洋vs毛利昭彦
- ウルティモ・ドラゴン&SUWAvsTAJIRI&KUSHIDA
- マスクド・ポールスターvs川田利明
この興行から正式に柴田・高山・鈴木みのるが不参加となる。興行の柱であるメイン級看板選手を根こそぎ失った上井氏は窮地の策として、ビックマウス時代に批判していたハッスル勢を参戦させ急場を凌いだ。これはそれまでの格闘色を薄め、上井氏自身が週刊プロレス紙上で述べた「笑顔の子供でいっぱいになる興行」を目指したエンターテイメント路線への転換であるが、毛利選手に試合後、離脱を宣言した柴田や戦場をZERO1-MAXへ移した門馬をマイクで挑発させた所を見ると、格闘色の強い選手が抜けた事による必要に迫られた路線変更と取れる。また今回プチシルマ体操が完成しお披露目したが肝心の興行は最悪で、客入りは6割程度も興行を見終えた観客が「あまりのつまらなさに泣く」という前代未聞・プロレス史上最悪の珍事がスポーツ紙を賑わせた。その象徴と言える新エース「マスクド・ポールスター」を上井氏は今後もメインで使うことを明言、迷走が続く事となる。
[編集] UWAI STATION 4
2007年3月21日後楽園ホール開催予定
- 菊タロー&趙雲子龍vs怨霊&ラム会長
- メカマミー&メカマミーLite vs上井231号&上井32号
- 木戸修&田村和宏vsドン荒川&フジタ・Jr・ハヤト
- 毛利昭彦&内田祥一(ラ・内田)vs飯伏幸太&柿本大地
- マスクド・グランシャリオvs宮本和志
- 村浜武洋vs真霜拳號
- 鈴木みのるvs高瀬大樹
前回の反省から「前半をエンターテイメント(お笑い)、後半を格闘色の強いカード」と色分けする。またメインでは鈴木みのるが「再乗車」することとなり、対戦相手はPRIDEに参戦経験もある高瀬大樹のプロレスデビュー戦となる。今回のプチシルマ体操では元新日本プロレスの選手だったミヤマ仮面が登場しラム会長らと踊る予定である。
[編集] UWAI STATION 5
2007年4月30日後楽園ホール開催予定
[編集] 参加選手
UWAI STATIONはあくまで上井氏によるイベント興行のため所属選手を持たない。ただし、共に上井ステーションを作った柴田(のちに離脱)、スポンサーを連れてきたドン荒川は事実上の所属選手と言えた。
[編集] 現在の常連選手
- ドン荒川(プチシルマ体操では「プチシルマン」に扮する)
- 小原道由
- 毛利明彦
- 村浜武洋
- メカマミー
- マスクド・ポールスター
- マスクド・グランシャリオ
- ハワイアン・ライオン
- ウルティモ・ドラゴン