WinG
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WinG(ウィン・ジー)とは、マイクロソフトがWindows 3.1向けに開発したグラフィックライブラリの一つである。
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[編集] 開発の経緯
Windowsに標準搭載されていたグラフィックライブラリ、GDIでは、グラフィックの描写のたびにインタフェースを介してグラフィックカードに描写命令を送る仕組みであったために描写速度が遅く、高速な2D描写を必要としたゲームには利用できなかった。そのため、オフィスアプリケーションやマルチメディアの利用はWindows、ゲームのときはWindowsを終了させ、MS-DOS上でゲームを起動して楽しむのが一般的だった。そこで、GDIのパフォーマンスの違い(特にBit Block Transfer(Bitblt)処理)を吸収することで高速描写を可能とするライブラリとして、WinGが開発された。
[編集] 制限
画面モードが256色であることが前提である。またWinGを最初に使用する際(または画面モードを変更した際)にはプログラムの最初でVRAM構造などによるパフォーマンスの違いを吸収するためにベンチマーク処理を行わなくてはならない。
[編集] インストール方法
Win32sやVideo for Windows同様に、インストーラを利用してインストールすることができた。
[編集] DirectXへの移行
しかし、WinGの登場が1995年であったため、普及する前にWindows 95が登場し、しばらくの後DirectXが公開されると、WinGはDirectDrawに取って代わられ、ほとんど利用されることは無かった。