X-2 (航空機)
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X-2はアメリカで開発された超音速実験機。愛称Starbuster(スターバスター)。
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[編集] 歴史
1945年、ベル社はドイツから持ち帰った技術である後退翼を持った、高速実験機の開発をスタートした。やがてこの機体は米陸軍の目に留まることとなり、同年12月にXS-2として、マッハ3.5の超音速と高度40,000[m]弱の上昇、および空力加熱について研究を進めることになった。
1950年に2号機が完成したが、空中母機の開発遅延により1952年から滑空試験を開始した。1953年、2号機による動力飛行が行われるはずであったが、母機からの発進前に爆発、失われた。また1号機は1955年から動力飛行を開始した。1956年の9回目にフライトで、フランク・エベレストの操縦する1号機は3,058[km/h](マッハ2.8706)の速度記録を樹立した。1956年12回目のフライトでは、アイヴン・キンチェローの操縦により高度38,376[m]に到達した。
13回目のフライトにおいて、ミルバーン・アプトが非公式に3,369[km/h](マッハ3.196)を記録するが、そのまま操縦不能となり、アプトは脱出できずに死亡した。
[編集] 機体形状
X-2は40度の後退角を持った水平尾翼と主翼を装備する。耐熱性を考慮し、スチール製である。脱出装置として、機首切り離し型のシステムを備える。エンジンとしてカーチスライト製XLR25-CW-1/-3ロケットエンジンを1基装備する。
降着装置は前輪と橇である。
X-2は空中母機EB-50に懸架されて離陸し、空中でロケットエンジンに点火、発進する。
[編集] スペック
- 全長11.53[m]
- 全幅9.83[m]
- 全高3.53[m]
- 自重5,610[kg](全備重量11,280[kg])
- エンジン
- カーチスライト製XLR25-CW-1/-3ロケットエンジン
- 最大到達速度3,369[km/h]
- 最大到達高度38,376[m]
[編集] 参考文献
- 「Xの時代-未知の領域に踏み込んだ実験機全機紹介」,世界の傑作機シリーズSpecial Edition3(文林堂)
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