こけら落し
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杮落し(こけらおとし)とは、新たに建てられた劇場で初めて行われる催しのことである。演目はそれぞれの劇場特性に合わせた内容で、概ね慶事(めでたい)内容であることが多い。
杮とは木片のことであり、建設工事の最後に木片を払うことが語源になっている。
- 陸上競技場、球技場、野球場などのスポーツ施設が開場する際、報道で「杮落し」と表現される場合があるが、本来は劇場に用いる言葉なので誤用だという指摘がある。
- 「こけら」という字は「柿(かき)」と同じに見えるが、柿(かき)は木部5画(旁が「なべぶたに巾」)なのに対し、「こけら」は木部4画(縦の棒が突き抜ける)である。しかし、過去の文献によれば、両者は明確には区別されておらず、例えば康熙字典では逆になっており、両方とも柿(木部5画)とするものや、両字は同じ字の別字体と説明するものもある(こけらとかきの違い・続篇を参照)。これを根拠にして、JIS規格では「柿」(木部5画)が両方の字を包摂するものとしている。これに対し、字典で区別されていないのは後の混同によるものであり、字義を考えれば「こけら」は木部4画で書くべきとする説もある。