ねずみ算
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ねずみ算(ねずみざん)は、和算の一つで、「ある期間に、ネズミがどれだけ増えるか」ということを計算する問題である。初出は吉田光由が著した『塵劫記』とされている。
結果が膨大な数となるため、急激に数が増えることを「ねずみ算式に増える」と言う事がある。なお、ネズミ講の語源はねずみ算からきている。
[編集] 塵劫記でのねずみ算
塵劫記では、ねずみ算は以下のように記されている。
正月にねずみ,父母いでて,子を十二ひきうむ,親ともに十四ひきに成也。此ねずみ二月には子も又子を十二匹ずつうむゆえに,親ともに九十八ひきに成。かくのごとく,月に一度ずつ,親も子も,まごもひこも月々に十二ひきずつうむとき,十二月の間になにほどに成ぞといふときに,二百七十六億八千二百五十七万四千四百二ひき。
現代語訳
正月に、ネズミのつがいが現れ、子を12匹産む。そして親と合わせて14匹になる。このネズミは、二月に子ネズミがまた子を12匹ずつ産むため、親と合わせて98匹になる。このように、月に一度ずつ、親も子も孫もひ孫も月々に12匹ずつ産むとき、12ヶ月でどれくらいになるかと言うと、276億8257万4402匹となる。
もちろん、実際のネズミはネコなどの天敵に襲われたり、病気や飢えによって死ぬため、これほど増えることはありえないが、ネズミの繁殖力の強さを表したものであろう。
[編集] 数式
数学的には、ねずみ算は等比数列となっており、上記の塵劫記の問題は、初項2、公比7の等比数列になる。12月のネズミの数は、この等比数列の第13項(初項は最初のつがいの2匹のみだから)を求めればよい。これを数式で表すと以下のようになる。
- 27,682,574,402 = 2×713-1