アルミニウム合金
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アルミニウム合金(あるみにうむごうきん、aluminum alloy)は、アルミニウムを主成分とする合金である。アルミニウムには軽いという特徴がある一方、純アルミニウムは軟らかい金属である為、銅、マンガン、ケイ素、マグネシウム、亜鉛、ニッケルなどと合金にすることで強度など金属材料としての特性の向上が図られる。アルミニウム合金の軽さと強度を応用した例として、航空機材料としてのジュラルミンの利用が挙げられる。ジュラルミンはAl-Zn-Mg-Cu系のアルミニウム合金である。(ジュラルミンの項に詳しい)
アルミニウム合金を加工する場合、大きく分けて展伸法と鋳造法が採用される。
アルミニウム合金は高い強度を持つ反面、溶接・溶断は特に難しく、用途変更に応じた改造や、破損の際の修繕は鋼などに比べて困難である。
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[編集] 展伸用合金
一般に展伸法で利用されるアルミニウム合金には4桁の数字からなる国際アルミニウム合金名が使用されている。日本工業規格(JIS)においても国際アルミニウム合金名がアルミニウム合金名の一部に取り入れられ準用されている。名称としては例えばA3003-H12 のようにアルミをあらわすAの後に合金の種類を示す4桁の数字が続き、ハイフン以降は加工硬化や熱処理などの調質記号である。
- 1000番台 - 純アルミニウム 加工性、耐食性、電気伝導性、熱伝導性はよいが強度が低い
- 2000番台 - Al-Cu系合金 ジュラルミン、超ジュラルミンの名称で知られる高強度材。耐食性に劣る
- 3000番台 - Al-Mn系合金 加工性、耐食性、強度が良好
- 4000番台 - Al-Si系合金 耐摩耗性が良好
- 5000番台 - Al-Mg系合金
- 6000番台 - Al-Mg-Si系合金 強度、耐食性が良好
- 7000番台 - Al-Zn-Mg系合金・Al-Zn-Mg-Cu系合金 高強度材でありCu系はアルミ合金中の最高強度である
[編集] 鋳造用合金
AC・・が鋳物用、ADC・・がダイカスト用、AJ・・が軸受鋳物用となる。
- AC1C,AC1B - Al-Cu系
- AC2A,AC2B - Al-Cu-Si系
- AC3A - Al-Si系
- AC4A,AC4C - Al-Si-Mg系
- AC4B - Al-Si-Cu系
- AC4D - Al-Si-Cu-Mg系
- AC5A - Al-Cu-Ni-Mg系
- AC7A - Al-Mg系
- AC8A,AC8B - Al-Si-Cu-Ni-Mg系
- AC9A,AC9B - Al-Si-Cu-Mg系
- ADC1 - Al-Si系
- ADC3 - Al-Si-Mg系
- ADC5 - Al-Mg系
- ADC6 - AL-Mg-Mn系
- ADC10,ADC12 - Al-Si-Cu系
- ADC14 - Al-Si-Cu-Mg系
[編集] ろう材
アルミニウム合金のろう材は、単体のほか、心材となる合金の片面もしくは両面に融点の低い合金を張り合わせたクラッド材としても供給される。
[編集] 調質記号
- F - 製造のままのもの
- O - 焼きなましたもの
- H - 加工硬化したもの
- T - 熱処理によって安定な質別にしたもの
- T4 - 溶体化処理後、自然時効させたもの
- T6 - 溶体化処理後、人工時効硬化処理したもの
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