アンカーボルト
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[編集] 概要
アンカーボルトとは、ボルトの一種。構造材や設備機器などを固定するために、あらかじめコンクリートに埋め込み使用するボルトで、形状はL形等様々である。土木や建築の基礎の場合にはコンクリート打設前に、あらかじめボルトを埋め込んで置くことが多い。床や壁面に構造物を固定するためや、天井に配管や二重天井のための吊りボルト(全ネジ、寸切りとも呼ばれる)を吊るために、コンクリート打設後にアンカーホールをドリルなどで穴を空けてボルトを押し込む、または叩き込むものは、あと施工アンカーボルトという。一旦埋め込むと抜けない形状となっている。据え付けの時にもう一度、位置を微調整する必要がある場合は、箱抜きを行いL字型アンカーボルトを機器の設置後にモルタルで埋める工法も以前は行われたが、地震時にモルタルごと抜けることがあり引抜き強度で劣る。引張抵抗を増大させるために、ボルトのさきを曲げたり、プレートを取り付けたりする。 (この場合の基礎は橋台なども入る。)コンクリート打設後に行うものは基本的には打ち込み式とケミカル式に分類される。また、ALC用のアンカーボルトもある。
[編集] 打ち込みアンカー
打ち込みたい位置に指定された径と深さの穴をハンマードリルなどで開け、コンクリートの切り粉をブロワーなどで除去し、アンカーボルトを埋める、もしくは打ち込んでから、さらにアンカーの芯、もしくは外周部を打ち込み棒を使ってハンマーで叩くと、外周部が膨らんでコンクリートに固定される仕組みである。内周部にはメスネジが切ってあって、全ネジなどを差し込んで、構造物を固定するが、あらかじめオスネジを切ってあるボルトが外に出るようになっているものもある。
[編集] ケミカルアンカー
ケミカルアンカーはその名のとおり化学反応を利用した接着剤によって全ネジを固定するものである。穴を開け、ブロワーで切り粉を除去したあと、(試験管のような容器に入っていることが多い)ケミカルアンカーを穴に挿入し、先端を斜めに切った全ネジを打ち込むことによってケミカルアンカーの容器が破壊され、化学反応が起こり、しばらくすると固定される仕組みである。