オディロン・ルドン
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オディロン・ルドン(Odilon Redon, 1840年4月22日 - 1916年7月6日)は、19世紀~20世紀のフランスの画家。
1840年、ボルドーの生まれ。本名はベルトラン・ジャン・ルドン。ボルドー近郊のペイルルバードで少年期を過ごす。病弱で内向的な子供だったという。20歳の頃植物学者アルマン・クラヴォーと知り合い、顕微鏡下の世界に魅せられるようになる。後にルドンが制作した版画には植物学の影響が見られ、版画集『夢の中で』はクラヴォーに捧げたものである。
1864年パリに出てジャン=レオン・ジェロームに入門するが数か月でやめ、ボルドーに戻って銅版画家ロドルフ・ブレダンの指導を受ける。また、1878年頃にアンリ・ファンタン=ラトゥールから石版画(リトグラフ)の指導を受ける。
1870年、普仏戦争に従軍。1872年からパリに定住する。1879年、初の版画集『夢の中で』を刊行した。
1890年頃からそれまでの作品と打って変わって、作品に豊かな色彩を用いるようになる。
1913年にはアメリカのアーモリー・ショー(アメリカにおけるヨーロッパ現代美術紹介の展示で、マルセル・デュシャンも出品していた)で1室を与えられ、展示した。1916年パリで死去。
ルドンは印象派の画家たちと同世代だが、その作風やテーマは大いに異なっている。光の効果を追求し、都会生活のひとこまやフランスのありふれた風景を主な画題とした印象派の画家たちに対し、ルドンはもっぱら幻想の世界を描き続けた。象徴派の文学者らと交友をもち、象徴主義に分類されることもあるが、19世紀後半~20世紀初頭という、西洋絵画の歴史のもっとも大きな転換点にあって、独自の道を歩んだ孤高の画家というのがふさわしい。生物学にも関心をもっていたルドンは、人間の顔をもった植物のような奇怪なイメージを、モノクロームの石版画で描いていた。鮮やかな色彩を用いるようになったのは50歳を過ぎてからのことで、油彩、水彩、パステルのいずれも色彩表現に優れているが、なかでも、花瓶に挿した花を、この世のものとは思えない鮮烈な色彩で描いた一連のパステル画が知られる。