オーバーハイム
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オーバーハイム(Oberheim Electronics)とは、1973年にトム・オーバーハイム(Tom Oberheim)によって設立されたシンセサイザーなどを開発・製造していたアメリカの楽器メーカー。1986年よりギブソン社の傘下に入った。
[編集] 歴史
創業者トム・オーバーハイムは大学で音楽や物理を学んだ後、コンピュータ・エンジニアとして働きながら、エフェクター作りを始めた。彼はその後、アープのディーラーとしてシンセサイザーの販売や、マエストロ社でのエフェクター制作を経験し、またコンピュータの知識もあったことから、その経験・知識を活かして1973年にオーバーハイム社を創業した。設立資金は、エンジニア時代に制作したエフェクターがヒットした際の収益であった。
第1号製品はシーケンサーであるDS-2で、当時発売されていたモーグやアープのシンセサイザーをコントロールするための製品であったが、後にDS-2でコントロールできる音源モジュールを自社で開発した。それがSEMである。SEMはモジュールで鍵盤が付いていなかったため、1975年に鍵盤付きでSEM4台分を内蔵したポリフォニック・シンセサイザー4voiceを発売した。その後もOB-X、Matrix-12などの著名な製品を次々発売したが、資金繰りが悪化し、顧問弁護士に会社を乗っ取られることとなり、トム・オーバーハイムは同社を去った。1986年にオーバーハイム社はギブソンの傘下に入ることとなった。
その後も「オーバーハイム」の商標自体は存続し、いくつかの新製品を発表している。
[編集] リリース年表
- 1974年
- SEM(Synthesizer Expander Module)
- DS-2(Digital Sequencer)
- 1975年
- 2 Voice
- 4 Voice
- 1977年
- 8 Voice
- 1978年
- OB-1
- OB-SX
- 1979年
- Mini Sequencer
- OB-X
- 1980年
- DMX
- 1981年
- DSX
- OB-Xa
- 1982年
- DX
- 1983年
- OB-8
- 1984年
- Matrix 12
- Xpander
- Prommer
- 1985年
- Matrix 6
- 1987年
- DPX1
- Matrix 1000
- 1989年
- OB-Xk
- 1994年
- Echoplex Digital Pro
- OB-Mx
- 2000年
- OB-12