カコジル
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カコジル (Cacodyl) はヒ素化合物の1つで、テトラメチルジヒ素、アルカヒ素、またはフランスの化学者カデ・ド・ガシクールの名からカデ液とも呼ばれる。ニンニク臭を持つ有毒の液体で、化学式は (CH3)2As−As(CH3)2 である。
イェンス・ベルセリウスがジメチルヒ素ラジカル (CH3)2As・ をギリシャ語の悪臭 (kakodes) と物 (hyle) からカコジル (kakodyl) と名づけたことが由来である。
エドワード・フランクランドとローベルト・ブンゼンによって研究され、これまで知られている有機金属化合物の中で最も初期のものの1つであると考えられている。ヒ素を酢酸カリウムと共に蒸留することによって初めて合成された。
ブンゼンによると、「この物質のにおいはすぐに手足をひりひりさせ、めまいを起こしたり意識を失ったりすることさえある。この化合物を吸い込むと、他の悪影響が認められない場合でも、舌が黒い膜で覆われるのが特徴である」
カコジルを研究することにより、ブンゼンはメチルラジカルの提唱に至った。