カワサキ・ゼファー
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ゼファー(ZEPHYR)とは、川崎重工業が製造しているオートバイの車種であり、排気量別にシリーズとして販売されている。
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[編集] 主要諸元
[編集] 製造初年
- ZEPHYR(400cc) - 1989年
- ZEPHYR750 - 1990年
- ZEPHYR1100 - 1992年
[編集] エンジン
- ZEPHYR(400cc) - 46馬力 398cc (1979年に登場したZ400FXがルーツ)
- ZEPHYR750 - 68馬力 738cc (1976年に登場したZ650(通称ザッパー)系のエンジンを使用)
- ZEPHYR1100 - 86馬力 1062cc (1986年に登場したボエジャーXIIのエンジンを空冷化して使用)
[編集] フレーム
- 鋼管ダブルクレードル
[編集] サスペション
- フロント:正立テレスコピック(デバイスはない)
- リア:窒素ガス封入式ショックアブソーバー2本(ユニトラックシステムではない)
[編集] モデルチェンジによる仕様の変遷
- ZEPHYR(400cc) → 1996年・ZEPHYRχ(400cc)
- ZEPHYR750・ZEPHYR1100 → 1993年・RS(スポークホイール仕様)追加 - RSは既に販売終了
[編集] 発売された背景とモデルの運命
レーサーレプリカ全盛時代に、敢えて懐古的なカウルなしのスタイルを前面に押し発売。これがフルカウル以外の選択肢を求めるユーザーに受け爆発的な売れ行きを見せ、ネイキッドというジャンルを生んだ。
敢えて自主規制を意識しない馬力設定は、過熱しすぎていたカタログスペック競争に一石を投じることとなり、ユーザーのバイクの選びのスタイルが変わるターニングポイントとなった。
また、販売不振から撤退も検討されていた川崎重工業の二輪車事業を、同社の大きな収益源に生まれ変わらせる原動力ともなった。
その後は400ccの大ヒットを受け、750ccモデルと、それをも上回る1100ccモデルも発売され、どちらもロングヒット車種となって現在も販売され続けている。いずれも鋼管フレーム、丸目一灯、ノンカウル、空冷直列四気筒エンジン、二本リヤサスなど400ccモデルと同じ仕様で、モデル車種であるZ-2の雰囲気を伝えている。特にZ-2と同じ「ナナハン」である750ccモデルは、丸みを帯びた燃料タンク、カムカバー、テールの造型がZ-2を強く連想させるものになっている。また、Z-1・Z-2の雰囲気をより濃くする為、標準仕様のキャストホイールをスポークホイール(チューブタイヤ仕様)に変更し、「KAWASAKI」の立体エンブレム(但しZ-1・Z-2のものとは書体が違う)をフュエルタンクに配したゼファー750RS・1100RSも一時期併売された。
後にZEPHYR(400cc)は、他社のネイキッドバイクに対抗するために、4バルブ仕様のZEPHYRχ(ゼファーカイ・399cc・53馬力)として発売されたが、2バルブの初代400ccも2年程度併売され続けた。
750ccモデルは、大型自動二輪の教習車としても用いられている。
なお、750ccモデル・1100ccモデルとも、2007年をもって生産終了となる事が決定し、Z-1・Z-2の初代モデルを髣髴させるファイヤーボールカラーを纏ったファイナルエディションモデルが販売された。
[編集] 姉妹車
輸出専用車のZEPHYR550も存在する。
[編集] 資料
- カワサキバイクマガジン 2005年7月号, pp.32-33