ケンソル
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ケンソル (Censor)は、古代ローマの高位の政務官職のひとつ。日本語では監察官と訳される。
ケンソルは他の政務官職が毎年選出されるのに対し5年に一度、1年半の任期で選出される。定員は2名。その任務はケンスス(国勢調査)の実施とローマの風俗の引き締めに分けられる。
ケンソルはケンススを実施しローマ市民権保持者の数を確定し、同時に元老院議員、エクィテス(騎士)の名簿を改訂する。この際不品行等を理由として既存の元老院議員やエクィテスからその地位を奪うこともできる。このような権限からローマの政務官の中でも高い地位を与えられており、最高位であるコンスル(執政官)より下位の政務官職ながらもケンソルには通常コンスル経験者が就任した。
帝政期に入るとケンススの実施や風俗の監視といった任務は元首の仕事となった。