コントラアルトクラリネット
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コントラアルトクラリネット(英:Contra-alto clarinet)は、クラリネット属の管楽器。
コントラアルトクラリネットは、クラリネット属の中でも大きく、低い音が出る楽器である。コントラアルトクラリネットは変ホ調(in E♭)の移調楽器で、しばしばE♭コントラバスクラリネットとも呼ばれる。また、「コントラルト・クラリネット」と呼ばれることもある(ただし、「コントラルト」は「アルト」の意味であるから、後述のアルトクラリネットを指すと誤解される可能性がある)。アルトクラリネットよりも1オクターブ低い音が出る楽器で、バスクラリネットより大きく、B♭コントラバスクラリネットよりも小さい。よく使われているクラリネット属の楽器の中で2番目に大きい楽器である。
他のクラリネットと同様、コントラアルトクラリネットはシングルリードで音を出す木管楽器である。コントラアルトクラリネットのキー配列は他のもっと小さなクラリネットと同じであり、同じ指使いで演奏することが可能である。コントラアルトクラリネットには、記譜音E♭(変ホ)まで出る楽器と、記譜音C(ハ)まで出る楽器が存在する。
コントラアルトクラリネットがクラリネット属に加わったのは比較的最近のことである。この楽器は吹奏楽やクラリネットクワイヤーでベースラインを担当する楽器として使われることが多い。また、時折ジャズでも使われることがあり、この楽器のために作られたソロ作品も存在している。