コーラス (音響機器)
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コーラスとは、12弦ギターのような音の効果から、艶やかな音を出すなど、幅広い音の装飾を得られるエフェクター。
うまく使うと、ギター2本で弾いているような、一度の演奏でステレオ効果や複数演奏であるユニゾン効果の得られる機種も多い。仕組みは、「フランジャー (音響機器)」と基本的には同じで、2つの音の間隔の違いによる。さらに音の間隔を開けると、次のエフェクターになる。また、ベースに使用すると、フレットレスベースなどに顕著な、「ボワーン」という音も得られる。後述する「ピッチシフター (音響機器)」でも聴感上は似たような効果が得られる。「同じ波形を時間的に微妙にずらす」か、「同じ波形に対し周波数をわずかに平行に動かす、すなわち音階を微妙にずらす」かの違いである。
コーラスは、フェイザー (音響機器)やフランジャー (音響機器)と同じくモジュレーション系のエフェクターとして取り扱われているが、フェイザー (音響機器)やフランジャー (音響機器)を使う際には基本的にエフェクトを目立つようにかけるように設定するが、コーラスはむしろ淡く、ほんのり効いているように設定するのが基本である。前二者が時としてどぎつい効果を求めて用いられるのに対して、コーラスは穏やかもしくは爽やかな効果を求めて用いられるのが常である。
やや高度な設定として、楽器から直接コーラスに入力するのではなく、いったんリバーブ (音響機器)を通して残響音だけをコーラスに入力する方法がある。コーラスは原音がぼけやすくなることもあるが、残響音だけにコーラスの効果を与えることで原音はよりはっきりと、エフェクトのかかった音はより空間的な広がりを得ることができる。この方法をボーカルに対して採れば、実に幻想的な聴感を得ることができるため、音楽のみならずアニメーションなどでも時折用いられる。
[編集] 動作原理と構造
コーラス効果は遅延素子によって30msec程度遅れた音声信号に対してLFOで周期的な遅延時間の揺らぎを与え、原音とミックスすることで実現される。一般にエフェクト音から入力に対してのフィードバックはかけない。原音をカットし、エフェクト音のみを出力した場合、それはヴィブラート効果となる。
遅延素子としてはBBDあるいはデジタルディレイが用いられる。
[編集] 歴史と代表機種
エフェクターとしてのコーラス効果を広めたのはローランドのギターアンプであるジャズコーラスと単品で効果を与えるCE-1であった。
後にスタジオ用のラックマウント型としてディメンジョンSDD-320が発売され、音楽録音の現場でこの分野のデファクトスタンダードとなった。
[編集] コーラスを用いた代表的な楽曲
ここではエフェクターとしてのコーラスを用いた代表的な楽曲を記載する。記載は楽曲名/アーティストの順とする。
- パープルレイン/プリンス イントロのギターの音色
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