ゴミグモ
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ゴミグモ | ||||||||||||
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分類 | ||||||||||||
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ゴミグモは、クモ目・コガネグモ科・ゴミグモ属に属するクモ、またはゴミグモ属のクモの総称である。自分の姿を隠すように、網にゴミをつるすことからその名がある。
[編集] 特徴
ゴミグモ(Cyclosa octotuberculata Karsch)は、クモ目・コガネグモ科に属するクモである。網にゴミをつける習性があることでその名がある。
全身は黒褐色で細長い。頭胸部はやや細長い。腹部は円筒形で、前方背面に二個、後方に六個の円錐状の突起がある。足も黒く、ややごつごつしている。
ごく普通のクモで、人家周辺にも住んでいる。網は垂直の円網で、軒下などに張っているのをよく見かける。網の目は細かい。特徴的なのは、網の中央に垂直方向の縦糸に沿って、網の大きさの八割くらいにわたり、食べかすなどのゴミを集めてあることである。ゴミのかたまりは全体としては中央がやや幅広くなった線形になっている。クモはゴミに紛れるようにして足をやや縮めて止まっている。そうしていると、腹部の斑紋や突起、足の様子など、全くゴミに紛れて見分けがつきにくくなる。ちなみに、クモの定位置は、他のコガネグモ科のクモと同様に、円網の中央に当たるので、それを頼りにすれば見つけられる。なお、網の中のクモは見つけづらいが、網そのものはゴミのためにむしろ探しやすい。
卵嚢は楕円形で、ゴミの中に吊るされる。連続して数個の卵嚢を作り、ゴミの中に縦に並べる。
クモの背中に蛆がとまっているのがたまに見られるが、これはクモヒメバチというハチの幼虫が寄生しているものである。
[編集] 近縁種
ゴミグモの仲間は日本に十数種おり、普通種も少なくないが、多くは山間にいて、人家周辺に住んでいるものは少ない。ゴミを網につけるものもあるが、つけないものもある。また、ゴミをつけないものでは、網に止まる姿勢が妙なものがある。普通、垂直円網を張るクモの場合、網の中央に頭を下にして止まるが、ゴミグモ類にはそうでない例がいくつかある。
- ヨツデゴミグモ C. sedeculata Karsch
- 山間部に住む小型種で、切り通しや岩場などに垂直円網をかけ、ゴミをつける。腹部後端に四つの突起がある。
都市部の緑地にもよく進出する。
- キジロゴミグモ C. laticauda Boes. et Str.
- 腹部がやや細長い。山間部に生息し、網にはゴミを少々つける。
- ギンメッキゴミグモ C. argenteoalba Boes. et Str.
- 腹部は楕円形で、周辺が黒く、中央は広く銀色。ゴミはあまりつけない。たまに渦巻き状の隠れ帯を少々つける。頭の向きは不定。平地にも分布。
- ギンナガゴミグモ C.ginnaga Yaginuma
- ギンメッキゴミグモに似て、山地性。ゴミはつけない。網には頭を上に向けて止まる。
- カラスゴミグモ C. atrata Boes. et Str.
- 全身黒く、腹部後端は細長く伸びる。網には水平からやや傾いた角度で止まる。
- トゲゴミグモ C. mulmeinensis (Thorell)
- 南西諸島に分布。腹部は丸く、その前方上向きに1対の突起がある。網は水平円網、ゴミは固まりをバラバラに並べる。クモは往々にして網の上に乗る。
なお、別属であるが、ヤマトカナエグモ(Chorizopes nipponicus Yaginuma)は、その姿形が、不思議なくらいヨツデゴミグモによく似ている。このクモは網を張らず、他の造網性のクモの網を訪れ、クモを食べて生活する。