シニヨン
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シニヨン、シニョン(chignon)とは、束ねた髪をサイドや後頭部でまとめたヘアスタイルのことである。簡単に言えば、ポニーテールを丸く纏めたものである。
シニヨンは、フランス語で「束髪」や「まげ」を意味しており、その形状から「お団子(頭)」と呼ばれる事もある。しかし、ただ丸くまとめるだけではなく、その時代や好みの形で自在に変化しており、多くのバリエーションがある。バレリーナがよくこの髪型をしており、長い髪をまとめあげるスタイルのため、髪の毛がドレスやネックレスにかかることが無い。そのため、衣服やアクセサリーの美しさを際立たせるのに適している髪型と言える。また、スケート選手にもこのヘアスタイルをしている人が増えている。シニヨンは作る位置や大きさによって印象が強く変わる。下の方にシニヨンを作るとエレガントな雰囲気になり、上の方に作ると若い印象をもたれる。
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[編集] シニヨンのつくり方
シニヨンを作るときには、ある程度長い髪が必要で、足りない場合はウィッグ(かつら)を使うこともある。まず、シニヨンを作る位置でゴムやピンを使ってポニーテールにする。そのポニーテールの束を団子状に巻き込み丸めて、シニヨンピンなどで止める。しっかりと固定する時には、シニヨンキャップ(シニヨンカバー)やヘアワックスを使う。服にあわせて、できたシニヨンに装飾品をつけることもある。2007年現在では、頭部の上の方にこの髪型をつくるのが主流となってきている。作り方として、まず髪の毛をゴム紐で、纏めてから残りのゴムでシニヨンの元(付け根に近い髪の毛をまげて丸い形を作る)を作り、そこに余った髪の毛を巻き付けていくというものである。
[編集] 歴史
シニヨンは、17世紀にはすでに存在しており、当時は後頭部で丸くまとめてピンでとめる簡単なものであった。18世紀ではシニヨンを大きくしてボリュームを持たせたものが多くなり、この頃のフランスではあまり上の方に作られていない。19世紀になると、高い位置で作ったシニヨンを広げるスタイルも見られるようになる。それから1920年代にはポピュラーな髪型となっていて、いくつかのバリエーションをみせている。1960年代後半から1970年代初頭には、エトワーディアンスタイル(胸を強調して。ウエストを絞って、ふわっと広がったスカートのドレス)の流行によって、それに似合うヘアスタイルという形で再びシニヨンも脚光を浴びた。ファッションショーでは衣装を目立たせるために、髪が衣装にかからないシニヨンが多用されるようになっていく。しかし20世紀に入ってスポーツが一般的になるにつれ、髪をショートにする女性が増えたため長い髪が必要なシニヨンの数は以前よりも減っていった。現在では、ヘアピースを使ってショートでもできる手軽なものや、シニヨンにリボンなどで飾りつけるという楽しみ方も出てきている。シニヨンを包む布飾りをシニヨンキャップ、根元の周囲に巻き付ける飾りをシュシュ(chouchou)などと呼び、どちらも手軽に装着できるようにゴムを入れたタイプの既製品が販売されている。
[編集] チャイナ服とシニヨン
よくアニメ作品やゲームなどで、中国出身や中華風に設定されている女性キャラクターの髪型にチャイナドレスとあわせてシニヨンを採用することがあり、特に左右2つに分けることが多い。これはオタク文化だけではなく、「チャイナ服といえばシニョンの女性」という概念は日本人の馴染み深いところである。前述の通り、シニヨンは服に髪がかからない髪型の為、ドレスとの相性がよい。
[編集] シニヨンの例
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