ジャワ・ガムラン
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ジャワ・ガムランとは、主に中部ジャワ地方で行われているスタイルのガムランを指すものである。
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[編集] 調律
スレンドロは近年「スレンドロ平均律」なるものが理論的に導入されたが、こんなものを守っている村落は何処にもない。大体220から280セントの幅を持つ五つの音で構成される音階であるが、階段状に音名がぶら下がる感覚ではなく、ぼんやりと五つの音が漂う感じに近いらしい。
ペロッグ(事実上の発音はぺロッ)は1から7までの音名からなるが、七つ全部使われる曲は何処にもなく、2,3,5,6,7或いは1,2,3,5,6の五つの音を選んで使われる。4は全曲の中でも隠し味風に使われる。
これはあくまで理論上の音律であり、「曲によっては低くとる音程」も存在する。村落が違えば同じスレンドロでも音律の感覚が微妙に異なり、ここがジャワ・ガムランの楽しみの一つといえる。
[編集] ジャワ島のガムラン
北西部ジャワ地方や西部ジャワ地方で行われているガムランはそれぞれチレボン・ガムラン、スンダ・ガムランとよばれ、調律や演奏形態が異なる。ジャワ地方の音楽をこのように様式区分する考えは現地人にはなく、現地の人々は「一つの村落に一つの音楽が存在する」との考えで臨んでいる。この考えが調律や音楽の種類にも影響を与えており、スレンドロやペロッグのリストは数百に及ぶ。
この考えでは、一つの村落の経済的危機を守る為にガムランのセットを売り払うことは、その村落から音楽が消えることを意味する。実際に売り払ってしまうケースも見られたため、このような事態にならないように、出来るかぎり新しい楽器を作り一から様式を学ぶのが良いとされている。
[編集] 様式
ソロ様式とジョグジャカルタ様式の二つがある。