ジャンバッティスタ・デッラ・ポルタ
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ジャンバッティスタ・デッラ・ポルタ(Giambattista della Porta, 1538年- 1615年)はルネッサンス期のイタリア、ナポリの博学者である。中世の魔術師・錬金術師と近代科学者の間の存在である。
裕福な家に生まれ、家庭で教育をうけた。1558年に出版された著者『自然魔術』には、実験を重視する近代自然科学の方法の萌芽のような多くの記述がある。たとえば、カメラオブスキュラ(画家用のピンホールのある暗室)のピンホールにレンズを用いると、像が鮮明になることなどが記述されていた。ナポリで出版された『自然魔術』(ラテン語)は各国語に翻訳されてベストセラーとなった。1560年には自然科学の最初の学会ともいえるOstiosi(怠け者たちの会:Academia Secretorum Naturaeとも)を自宅に開き、科学実験を行ったが、時の教皇パウルス5世により禁止された。1563年に暗号解読術の著書を、1586年に『観相術』を出版した。文芸の分野でも20ばかりの悲劇、喜劇を創作し後の人々に影響を与えた。