タンタル酸リチウム
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タンタル酸リチウム(たんたるさんりちうむ、lithium tantalate, LiTaO3)は光学素子、ピエゾ素子、焦電素子としての特性を持ち、対人センサー、携帯電話そして核融合など種々の分野で利用される物質である。
酸化タンタルリチウム (lithium tantalum oxide) とも言い、酸化リチウム Li2O と酸化タンタル Ta2O5 を要素とし 1:1 の組成で構成される複酸化物である。三方晶系イルメナイト類似構造をとり、融点は約 1,650 ℃で熱的、化学的に安定な結晶である。単結晶は非線形光学材料としてレーザー素子として利用されたりあるいは圧電セラミックスとしてピエゾ素子、表面波フィルター等に利用される。この結晶について大量の情報が商業の技術情報として入手することが出来る。
それに加えて、ネイチャー誌2005年4月号の論文によると、UCLA の Brian Naranjo, Jim Gimzewski, Seth Putterman はタンタル酸リチウム結晶の大きな分極を利用して、巨大な温度差を発生させた。その結果、極限的な温度や圧力を伴うことなく水素試料の核融合を発生させた。現在、この実験結果は再確認中である。
静電相互作用によるイオンプラズマの閉じ込めを原理とする "fusor" や他の IEC の核融合実験の成果とこの論文を比べると、この論文では、加熱することなくより小さい標的であるイオン化していない水素原子を電場により加速する方法に吟味を集中することで、他の方法に比べて大きな成果を上げている。しかし、エネルギーを取り出す目的の見通しは含まれていない。そして、他のピエゾ素子や非ピエゾ式スパーク発生素子でも同様な結果が得られるのかどうかの研究課題が提起されている。リチウムは中性子源として知られる軽い元素であり、タンタルはガンマ線源として知られている。そして弦理論によると、同様な効果が予言されている。