ダートトライアル
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ダートトライアル(Dirt Trial)とは、モータースポーツの一種。字のごとくダート(泥ねい地、砂利等)で未舗装のサーキットでタイムトライアルを行う自動車競技である。ダートラと略されることも多い。
近年WRCで行われるスーパーSSに似た競技であるが日本独自のモータースポーツであり、競技人口はジムカーナの次に多い。最盛期には200台以上の参加がある競技会もあるが、数十台程度が各クラスに分かれて競うのが一般的。 通常、コースを1台ずつ(時間差で2台コースインすることもある)2回走行し、2回の走行のうち速い方のタイムで順位を競う。 エンジン排気量の大小、改造の有無・改造範囲でクラス分けされる。
サファリラリーやダカール・ラリー(パリ・ダカ)の様な非舗装地を四輪駆動車で走行すると思われるのが一般的だが、参加車両は乗用車を改造したものが殆どである。コースも天候次第ではタイヤのスリップ痕(ブラックマーク)が付く程固く平坦になり、スリックタイヤと同じ位まで溝を減らして走行をする場合もある。
近年、コースによっては市販車両の高性能化と走行コースの整備向上が著しく、ノーマルクラスでもコース内での速度は180km/hを超える(速度制限装置は解除してある場合がある)車両もあり、それに近い速度でコースアウトをして重傷を負う場合もある。(一般的なサーキットには救急設備と救急車両が用意されているが、ダートトライアルのサーキットではその様な設備は無い場合が多い。)
以前は、初心者向けのイベントでも不正改造(エンジンECU等の改造等)が多いのも特徴。飲酒して競技に参加する者等、全般的にモラルが低い。要因としてマスコミュニケーションの世界が醸成されている事、永年参加している全日本クラスの参加者(または車両製作者)がそのような行為を正当化し、初心者クラスにまで波及しているのも原因と思われていたが、今ではその点は規制が厳しくそう言う点において低下はしていないとも言い切れない。
ラリーとダートトライアルは悪路を走るという点で車両が似通っている為双方ともエントリーすることが出来るが、実際にはショックのセッティングや上級ラリーではリストリクターを装着しなければならない等の違いがある。