チャールズ・バックマン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
チャールズ・W・バックマン(Charles W. Bachman、1924年12月11日 - )は、特にデータベースの分野で知られる情報工学者。
1973年、「データベース技術への多大な貢献に対して」チューリング賞を受賞した。
また1977年、 British Computer Society は彼のデータベースに関する業績を讃えて特別フェローに選出した。
バックマンは他のチューリング賞受賞者と異なり、その経歴のほとんどを学会ではなく産業界の研究者として過ごした。まず1950年にダウケミカルで働き、1960年に転職するまでにデータ処理マネージャとなっていた。次にゼネラル・エレクトリック(GE)で初期のデータベースマネジメントシステムのひとつである IDS(Integrated Data Store)を開発した。Weyerhaeuser Lumber と共に IDS データベースのマルチプログラミングアクセス機能も開発した。後にGEでタイムシェアリングシステム上でのデータベースアクセス機能を備えたBASIC言語 dataBasic も開発した。
その後、Cullinane Information Systems (後に Cullinet と改称)に移り、IDSを改良した IDMS を開発した(IBMのメインフレームで動作する)。
1983年、彼は Bachman Information Systems を設立し、CASE製品のシリーズを開発する。その中心となる製品 BACHMAN/Data Analyst はバックマンダイアグラムと呼ばれる図を使ってデータ構造をグラフィカルに作成したり保守したりできるものである。これはIBMの Reengineering Cycle マーケティングプログラムに採用された。これは、以下のようなものである。
- 古いメインフレームのデータベースのリバースエンジニアリングを行う
- データをモデル化する
- 新たなデータベースにそのデータモデルを移植する
- そのデータベースの最適化を行う
バックマンは、自身が推進していたナビゲーショナルデータベースとエドガー・F・コッドのリレーショナルデータベースに関して白熱した議論を行ったことでも知られている。