デンドリマー
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デンドリマー (dendrimer) は、中心から規則的に分岐した構造を持つ樹状高分子。ギリシャ語で木を意味する δέντρο から命名された。

デンドリマーは、コア (core) と呼ばれる中心分子と、デンドロン (dendron) と呼ばれる側鎖部分から構成される。また、デンドロン部分の分岐回数を世代 (generation) と言い表す。
一般に高分子はある程度の分子量分布を持つが、高世代のデンドリマーは、分子量数万に達するもののほとんど単一分子量であるという、際立った特徴を持つ。
また、コアはデンドロンによって覆われており、外界と遮断された環境にあるために、特異な発光挙動や反応性を示すことが見出され、新しい機能物質として期待されている。ただし、他の高分子と比べて合成が極めて困難であるため、実用化には至っていない。
また、現在最もよく用いられているポリアミドアミン構造を持つPAMAMデンドリマーなどは、試薬会社から市販されている。