ハッブルの法則
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ハッブルの法則( - ほうそく)とは、天体が我々から遠ざかる速さとその距離が正比例することを表す法則である。1929年、エドウィン・ハッブルとミルトン・ヒューメイソンによって最初に定式化された[1]。この法則によって、宇宙が膨張しているという事実がわかった。
を天体が我々から遠ざかる速さ(後退速度)、を我々からその天体までの距離とすると、
ここでは比例定数であり、ハッブル定数と呼ばれる。ハッブル定数は宇宙の膨張速度を表す量であり、NASAの人工衛星WMAPの観測によると 71±4 km/s/Mpcである。
ハッブル定数がわかると、次の式によりおよその宇宙の年齢がわかる。
宇宙年齢は物質密度や宇宙定数にもよるが、だいたい137億年とされている。
銀河の後退速度は銀河からの光のスペクトルの赤方偏移を調べることによって容易に決定できるが、距離の決定は、現在のところ、様々な算出方法を総合して割り出すしかないため、正確な値を求めることは困難である。そのためハッブル定数は不確定なものとなっている。
[編集] 参考文献
- ^ Hubble, Edwin, "A Relation between Distance and Radial Velocity among Extra-Galactic Nebulae" (1929) Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America, Volume 15, Issue 3, pp. 168-173 (Full article, PDF)
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 膨張する宇宙 - 宇宙の膨張とハッブルの法則との関係について