ファウンデーション (服飾)
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ファウンデーション (英語:foundation、仏語:fond de robe) は、英語の「ファウンデーション・ガーメント (foundation garment、基礎衣服) 」の略で、洋装の下に着用して、身体のラインを整え、洋服に美しいシルエットを造り出す下着の一種である。現代の日本では、ファンデーションとも呼ぶ。
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[編集] 概説
ファウンデーションは体型補正下着であり、主として女性用下着について言われる。上着を着用したとき、衣服がぴったりしたものだと、身体のラインが外部より窺えるが、このように外見に現れる洋服のシルエットを美しく整える目的がある。従って、どのような体型が美しいと考えられるかによって、ファウンデーションの補正の目標が違って来るのであり、また身体のどの部分を補正するかでも、違った種類のファンデーションが考えられる。
代表的なファンデーションの名称と、それが着用される身体の部位を示すと、次のようになる。
- コルセット(胸の部分から腹部までを覆った。乳房はカバーしないことがある)
- ウェストニッパー(腰の部分のラインを形造った)
- ガードル(主として腹部、ときに胸の下部)
- ブラジャー(コルセットの乳房を覆う部分の分離した下着である)
- オールインワン(ブラジャーとコルセットが一つになったもので、胸から下腹部全体を覆う ボディスーツとも)
[編集] 歴史
[編集] 古代
ファウンデーションとしては、コルセットの歴史がもっとも古く、紀元前15世紀から10世紀頃の古代ギリシアの絵には、ウェストの部分を細く絞った服装の男女が見られる。古典ギリシアのキトンや、ローマのトゥニカ(チュニック)は、ゆったりした、布を身体に巻き付け、全身を覆う衣類であったので、このタイプの衣服が一般であるとき、体型補正の下着は、特に必要とされなかったとも言える。
しかし乳房部分については、古代ギリシアの女性は、ゾナと呼ばれる一枚布を胸に巻いていたことが知られる。乳房が堅くしまって、垂れていないことが女性の若さとも考えられたので、胸を補正していたと言える。
[編集] 中世・近世
軍人は古代より、活動に適した服装を選ぶのであり、それは古代ギリシアのキトンや、その上着とも言えるヒマティオンのような、布が広がり、流れるような衣類では困った。ギリシアでもローマでもそして西欧中世においても、戦闘する軍人は鎧を纏うのが普通で、それは身体にぴったりと合ったものが好まれた。
中世西欧でコルセットと呼ばれた衣服は、男女共に使用した、胴の部分で身体にぴったりと合う、外衣であり胴衣であった。今日のコルセットは、16世紀頃より、女性の衣服として、フープスカートと呼ばれる、胴から下がチューリップのように、あるいは釣鐘のように広がった衣装が流行し始めてからである。
初期のフープスカートは、ファーズィンゲールと呼ばれる、腰のすぐ下に巻き付け、ヒップを強調するアンダースカートの一種を付けた上に装着したが、このとき、胸の下からヒップまでの、胴の部分のラインが一つの魅惑のポイントとなった。胸の下から胴の部分を締め付け、ウエストを細く、優雅なラインに補正する下着が、コルセットであった。
元々、女性がウエストを細く見せるため、腰に布を巻いていたのは、12世紀頃より見られる習慣であったが、イギリスでは、大陸のコルセットと並行して、17世紀頃に、ステイズと呼ばれる胴部を細くする補正下着があった。ステイズの原形は15世紀頃にすでにあり、左右見ごろに分かれた張り骨のステイを、身体の前で合わせ、紐で二つをまとめ、締め上げることで、胴の形を作った。
コルセットはイギリスのステイズと同様、初期の頃は、クジラ骨や鋼鉄を芯使って、胸部下から腹部までを覆い、着用した後、紐を締め上げることで、腰を細くし、また胸部下からウエスト、ヒップへのラインを流れるように美しいものに整えた。19世紀初期には、コルセットは、腰を覆うように、下に長くなり、更に、19世紀半ばには、ガーターを吊り上げる靴下留めが付属したタイプが登場した。