フミン酸
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フミン酸(フミンさん)とは、植物などが微生物により分解される最終生成物であるフミン質のうち、酸性である無定形高分子物質。腐植、土壌においてアルカリに可溶で、酸で沈殿する赤褐色、黒褐色をした有機物画分。腐植酸(humic acid)とも言う。
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[編集] 分布
腐植や土壌のほか湖沼・海洋堆積物・天然水・石炭等に含まれる同様の溶解性を示す赤褐色ないし黒褐色の有機物画分はいずれもフミン酸と言う。
[編集] 化学的性質
炭素52~58%、水素3.6~6.0%、窒素3.0~5.7%、残りの大部分は酸素であるが、1%以下の硫黄を含む。ベンゼン・ナフタレン・アントラセンなど各種の芳香環や脂肪族鎖を骨格とし、多数の共役二重結合を含む。カルボキシル基、フェノール性水酸基の存在によって酸としての性質を示すほか、カルボニル基・メトキシル基・アルコール性水酸基等の官能基を含み、加水分解によって単糖やアミノ酸を生成。多分散性の混合物で平均分子量は1,000以下から数十万以上まで。
[編集] フミン酸の種類
Springerは灰色腐植酸と褐色腐植酸(リグノフミン酸とフモリグニン酸を含む)に分類したが、土壌の種類により、また同じ土壌でも層位によって、腐植酸の質は相違する。
[編集] E4/E6比
アルカリ溶液の吸光曲線が、特に波長465nmと665nmの吸光度の比(E4/E6)が、フミン酸の質の評価に用いられている。
[編集] フミン酸とフルボ酸のE4/E6比(ロシア土壌の例)
[編集] 外部リンク
[編集] 関連項目
- フルボ酸
- フミン質
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