ベリ
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彼はフレイによって殺される人物として知られるようである。
スカルド詩やエッダ詩において、フレイはしばしば「ベリの敵」や「ベリの殺し手」と表現される。
フレイがベリを殺した経緯は、スノッリ・ストゥルルソンの「スノッリのエッダ」で述べられている。 フレイは彼の宝剣を、ゲルズに求婚するため差し向けた召使いのスキールニルに褒美として与えていた。そのため代わりの武器がなく、牡鹿の角を使ってベリを殺害したとされる。
同詩にはまた、「フレイは素手でもベリを倒すことができたが、しかしラグナロクが到来しムスッペルの子らと戦う時には宝剣がないのを悔いるだろう」という趣旨の記述がある。
ベリがゲルズの兄だという説もあるが、これは、「古エッダ」の「スキールニルの歌」第16節において、ゲルズが「外に兄を殺した人がいるのだったら怖ろしい」という趣旨の発言をしており、この兄の正体が不明であることからベリがその兄だと考えられたことによるであろう。