ペルティエ素子
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ペルティエ素子(Peltier device)とは、電子部品のひとつ。サーモ・モジュールと呼ばれたりもする。ペルチエ素子、ペルチェ素子と表記することもある。熱電素子の一種である。
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[編集] 原理
2種類の金属の接合部に電流を流すと、片方の金属からもう片方へ熱が移動するというペルティエ効果(Peltier effect)を利用した板状の半導体素子。直流電流を流すと、一方の面が吸熱し、反対面に発熱が起こる。電流の極性を逆転させると、その関係が反転し高精度の温度制御に適している。また温度制御が可能なばかりでなく、温度差を与えることで電圧を生じさせこともできる。(ゼーベック効果)
ペルティエ素子の性能は最大吸熱量(Q max)、最大電流(A max)、最大電圧(V max)で表される。印加電圧が大きくなると発熱量が増えて冷却効率が悪くなるため、最大電圧の50-60%が最適電圧といわれる。
[編集] 応用
各種の冷却装置に使用されている。家庭用の電気冷蔵庫やエアコンに使用されるヒートポンプ方式の冷却方法と比較して、冷却効率は劣るが、装置の体積が小さいこと、騒音・振動を発生しないことなどから、コンピュータのCPU冷却、車などに乗せる小型冷温庫、医療用冷却装置などに使用されている。
また、ヒートポンプ方式とは異なり、冷却に際して湿度の変化が少ない(ヒートポンプ方式では通常、冷却と同時に除湿がされる)こと、さらにサーモスタットを使用した温度管理が容易であることもあり、ワイン専用の小型保存庫などにも使用されている(ワインの保存には適度な湿度が必要)。
[編集] ペルティエ素子の製造メーカー
フジタカ(日本) フェローテック(日本) メルコア(アメリカ) マーロー(アメリカ) ノルド(ロシア) クレオサーモ(ロシア) その他中国にも多数存在する。
[編集] 関連項目
- ゼーベック素子