ホバーボード
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ホバーボードとは、地面から浮遊し、乗り手が地面を蹴った勢いで前進する乗り物である。この場合の浮遊は、乗り手の足が地面につく程度であり、飛行とは異なる。SFなどに多く登場し、現実にも個人で製作されたものがある(ただし、SFと現実とでのそれの仕組みや浮遊の程度は大幅に異なる)。
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[編集] 概要
ホバーボードは、いうなればスケートボードが進化したものである。地面との摩擦を減らし地上を滑るのにスケートボードはタイヤを利用しているのに対し、ホバーボードは地上から浮いてしまうことでその目的を達成している。浮いてしまえば路面摩擦は0になり、ひと蹴りで移動できる距離はスケートボードに勝る。また、スケートボードは地上を移動している時にタイヤが地面を転がる音がし、場所によっては近隣の住民にとって騒音となりえるほどの音になるが、タイヤを持たないホバーボードはこの騒音とは無縁となる(ただし、後述するホバークラフトの原理を応用したものは別の理由で騒音が発生してしまっている)。
[編集] SFでのホバーボード
[編集] 映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズでのホバーボード
映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2」には、未来のスケートボードとしてホバーボードが登場する。外見は、まさしく車輪をとったスケードボードである。地上からは約10cmほど浮いている。水上では、浮遊はするが前に進むことはできないという描写がある。これは、地上にあるときは地面を蹴ることによって大きな反動を得られ前進をすることができるが、水上では水を蹴っても少量の水が後方に飛ぶのみで推進力には反動が小さすぎるためだと推測される。敵方のもつホバーボードは水上でも動けるようにジェットエンジンが搭載されていた。製作者側によると、このホバーボードは地球の磁力を利用して浮いているようである。なお、主人公のマーティが使ったホバーボードは、もともと未来の子供が遊んでいた浮遊するキックボードからハンドル部分を取り去ったものである。
[編集] 現実世界でのホバーボード
現実世界でも、個人の手によっていくつかホバーボードが開発されている。
最も多く作られているホバーボードは、ホバークラフトの原理を応用して作られている。つまり、空気を板と地面の間に送り込むことで浮上力を得るものである。地面からは数ミリ浮いている程度である。空気を送り込むための装置による騒音が大きいこと、路上に凹凸があると極端にすべりが悪くなること、その他エネルギー効率の問題などがあるため、大手メーカーなどがこれらを製作販売することは現在のところまったくない。