ホンダ・CBR400F
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
CBR400F(シービーアール400エフ)とは、本田技研工業が製造発売していたオートバイである。ホンダ最後の空冷スーパースポーツとなった。
目次 |
[編集] 当時の背景
1980年代初頭、業界は空前のオートバイブームを迎えていた。ホンダは激戦区400ccクラスにCBX400Fを擁していたが、各社のライバル勢に対抗すべく発売後僅か2年でフルモデルチェンジ、CBR400Fを発売した。
[編集] 1型(1983年12月発売)
CBR400F(1型)は1983年12月に発売された。8500rpmを境に2バルブから4バルブに切り替わる回転数応答型バルブ休止機構(REV)を採用した新設計の空冷4サイクルDOHC16バルブ並列4気筒エンジン(399cc)は、発売当時クラス最強の58ps/12300rpmの最高出力と、3.6kg‐m/11000rpmの最大トルクを発生した。
車体は角断面パイプダブルクレードルフレームにフロント16インチ、リア18インチのNSコムスターホイールを装備。ブレーキはインボードディスクから一般的なアウターボードとなり、前2枚、後1枚のトリプルディスクとした。またデュアルピストンキャリパーの採用や、よりコンパクトになったTRAC(ブレーキトルク応答型アンチダイブ機構)の採用など、足回りは前モデルから大幅に強化された。 また角型ヘッドライト下に大型のオイルクーラーを装備し、外観面での特徴となった。
1984年5月には、CBR400Fエンデュランスが発売された。ハーフフェアリング、アンダーカウル、さらに2灯式ハロゲンヘッドライトを追加したモデルである。さらに7月にはエンデュランスにフルフェアリングを装備した4000台限定特別仕様車が発売され、カウリングの文字から通称「F-3」と呼ばれた。
[編集] 2型(1985年8月発売)
1985年8月CBR400Fはマイナーチェンジを行い、2型となった。ステンレス製集合管マフラーを新たに採用、同時に車体各部の軽量化をはかりアルミ製スイングアーム、アルミ製3本スポークキャストホイールを装備した。 外装もアンダーカウルを廃止しすっきりとした印象となった。F-3はリアカウル一体式シングルシート、ジュラルミン鍛造バックステップを標準装着した。
[編集] 後継モデル
CBR400Fはホンダ最後の空冷スーパースポーツとして各社の水冷勢に引けを取らぬ性能を有していたが、重量面でのハンデは拭い切れず、水冷化の波に飲まれ1986年7月に後継のCBR400Rに道を譲った。