ムッシュ
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ムッシュ(フランス語:Monsieur;複数形:Messieurs)は中世フランス語において閣下を意味する語で、現在は(爵位など高い位を持たない)全ての男性への敬称として使われる。英語におけるミスター(mister)や場合によってはサー(sir)と同じ意味になる。省略形はM.となり複数形messieursはMM.となる。この複数形は英語においてもMisterの複数形として使われる(例:Messrs. Jones, Smith and Davis)。またMonsieurは英語における"mister"とは違い(方言によっては名前の方に"mister"を付ける事が許容される)ファーストネームの前に付ける事もできる(例:Monsieur Jean)。
君主制下のフランスではムッシュは当時の国王の最年長の生きている兄弟に対する略式の敬称であった。以下がこの意味でムッシュと呼ばれた人物である:
- オルレアン公シャルル(1559 – 1560) ⇒ シャルル9世
- アンジュー公アンリ(1560 – 1574) ⇒ アンリ3世
- アンジュー公フランソワ(1574 – 1584)
- オルレアン公ガストン(1610 – 1643)
- オルレアン公フィリップ1世(1643 – 1701)
- プロヴァンス伯ルイ・スタニスラス(1774 – 1793) ⇒ ルイ18世
- アルトワ伯シャルル(1795 – 1824) ⇒ シャルル10世
- 吉田義男