モンソンの球面学説
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モンソンの球面学説(もんそんのきゅうめんがくせつMonson's spherical theory)とは歯科において、1920年にモンソンが唱えた下顎運動に対する仮説理論である。 その理論は、スピーの彎曲と呼ばれる歯列咬合面の彎曲が下顎運動範囲を延長した半径4inchの仮想球面上にあるというもので、球面の中心はおよそ篩骨鶏冠部に相当するとした。
モンソンの球面学説は咬頭の存在を考慮しておらず、実際の咬合を再現することは不可能であるが、モンソンカーブによって示される歯列彎曲の考え方は、現代の歯科医療に応用されている。
[編集] モンソンカーブ
モンソンカーブとは、モンソンの球面学説に基いた球面に沿う歯列彎曲を呼ぶ。調節彎曲とも呼ばれる。 逆に、天然歯列において生理的咬耗などにより機能咬頭の摩耗が生じ、モンソンカーブの凸面が上方に突き出た状態をアンチモンソンカーブとよび、咀嚼に悪影響を与える指標として用いられる。