ライフル射撃
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ライフル射撃(らいふるしゃげき)は、ライフル銃またはピストルを使用し、固定された標的に対して射撃し得点を競うスポーツ。オリンピック競技種目である。
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[編集] ライフル種目
ライフル銃、またはエア・ライフル(空気銃)を使用して行う競技である。
[編集] 使用する銃
すべての銃で、連射が可能なものはない。また、光学スコープの使用は禁じられており、サイトと呼ばれる照準器を使用する。
- スモール・ボア・ライフル
- 口径5.6mm(22口径)の競技用ライフルである。小口径であるため、スモール・ボア (Small Bore:小口径)と呼ばれる。競技専用であるため、パームレストなどの特別なアクセサリーをつけられるようになっている。ボルトアクション式。標的が50メートル先にある競技のみ行われる。
- ビッグ・ボア・ライフル
- 口径最大8mmの競技用ライフルである。形状はスモール・ボア・ライフルとほぼ同じであるが、スモール・ボア・ライフルに比べて大口径であるため、威力も大きい。使用できる射撃場が限られているため、日本での競技人口は極めて少ない。標的の距離は原則として300メートル先であるが、射撃場の制約等から、それより短い距離で行われる場合もある。2005年1月現在、オリンピック競技には採用されていない。
- エア・ライフル
- 口径4.5mmの空気銃である。空気銃であるが、いわゆるエアガン(エアソフトガン)とは異なり、威力が強いため、所持には各都道府県公安委員会の許可が必要である。ポンプ式、圧縮空気式、スプリング式、炭酸ガス式があり、現在では圧縮空気式が主流である。標的が10メートル先にある競技のみ行われる。
- ビーム・ライフル
- 引金をひくと可視光線を発する光線銃である。光の当たった位置で得点を判断する、特別な標的を使用する。銃に関する規制の厳しい日本で、ライフル射撃の普及のために開発された。そのため、ビーム・ライフルでの競技は日本でしか行われていない。標的が10メートル先にある競技のみ行われる。
[編集] 標的
基本的に紙製で、大きさは競技によって異なる。着弾点が中心に近いほど高得点であり、一発につき10点が最高点である。なお、決勝が行われる場合、得点は0.1点単位まで判定され、この場合は最高点が一発につき10.9点である。オリンピック等の国際大会では、電子標的と呼ばれる、着弾と同時に得点が判明する装置を使用する。
[編集] 射撃姿勢
ライフル銃競技の射撃姿勢は四つに分かれている。
- 伏射 (ふくしゃ:Prone)
- 伏せて銃を構える射撃姿勢である。最も安定した姿勢である。
- 立射 (りっしゃ:Standing)
- 立って銃を構える射撃姿勢である。安定しない射撃姿勢であり、四姿勢のうちもっとも難しい。
- 膝射 (しっしゃ:Kneeling)
- 片側の足を膝立て、膝の上に腕を置いて構える射撃姿勢である。伏射の次に安定した姿勢である。この姿勢のみでの競技は国民体育大会でしか行われておらず、専ら三姿勢の混合競技で行われるのみである。
- 座射 (ざしゃ:Sitting)
- あぐらをかくように座った状態で銃を構える射撃姿勢である。三脚架の上に銃を乗せて射撃するため伏射の次に安定性は良い
[編集] 競技種目
[編集] オリンピック・ワールドカップで行われる種目
[編集] 男子種目
- 50メートルライフル三姿勢120発
- スモール・ボア・ライフルを使用し、伏射・立射・膝射の三姿勢につき各40発合計120発で争われる競技である。競技時間は三時間を超え、もっとも過酷な種目である。
- 50メ-トルライフル伏射60発
- スモール・ボア・ライフルを使用し、伏射60発で争われる競技である。安定した姿勢で行われるため、高得点での争いとなり、600点満点が出ることもある。国内大会では男女混合で行われることも多い。
- 10メ-トルライフル60発
- エア・ライフルを使用し、立射60発で争われる競技である。国内大会では男女混合で行われることも多い。
[編集] 女子種目
- 50メートルライフル三姿勢60発
- スモール・ボア・ライフルを使用し、伏射・立射・膝射の三姿勢につき各20合計60発で争われる競技である。国内大会では男女混合で行われることも多い。
- 10メ-トルライフル40発
- エア・ライフルを使用し、立射40発で争われる競技である。
[編集] その他の種目
- 10メートルライフル三姿勢60発
- エア・ライフルを使用するほかは、50メートルライフル三姿勢60発と同様である。
- 10メ-トルライフル伏射60発
- エア・ライフルを使用するほかは、50メ-トルライフル伏射60発と同様である。
- 300メートルライフル三姿勢120発
- ビッグ・ボア・ライフルを使用するほかは、50メートルライフル三姿勢120発と同様である。
- 300メ-トルライフル伏射60発
- ビッグ・ボア・ライフルを使用し、50メ-トルライフル伏射60発と同様である。
- 300メートルライフル三姿勢60発
- ビッグ・ボア・ライフルを使用するほかは、50メートルライフル三姿勢60発と同様である。
[編集] ピストル種目
ピストル、またはエア・ピストル(空気銃)を使用して行う競技である。日本ではピストルの所持に関する規制が非常に厳しく、競技人口は極めて少ない。
[編集] 競技種目
[編集] オリンピック・ワールドカップで行われる種目
[編集] 男子種目
- 50メ-トルフリーピストル60発
- 25メ-トルラピッドファイヤーピストル60発
- 10メ-トルエアピストル60発
[編集] 女子種目
- 25メ-トルスポーツピストル60発
- 10メ-トルエアピストル40発
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