リツキシマブ
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リツキシマブ(rituximab)は抗ヒトCD20ヒト・マウスキメラ抗体からなるモノクローナル抗体で医薬品。分子標的治療薬の一つである。注射剤である。商品名リツキサン® (Rituxan®)。1本の薬価が最高で約25万円(保険適用前)と非常に高価な薬剤である。
ヒトCD20はヒトB細胞のみに発現し、正常・腫瘍細胞は問わず、preB~成熟Bにかけて細胞膜表面に認められる。preB、形質細胞はみられない。ヒトCD20に対する抗体はヒトは持たないため、マウスのヒトCD20に対する抗体のFabとヒトFcをキメラとして製造した。 日本での健康保険適応は、CD20陽性の低悪性度又は濾胞性B細胞性非ホジキンリンパ腫、マントル細胞リンパ腫。 単独での使用も行われるが、CHOP療法との併用も行われている。
同効薬に90Y Ibritumomab, 131I Tositumomabがある。
[編集] 副作用
B型肝炎ウイルスキャリアの患者で、本剤の投与により、劇症肝炎又は肝炎が増悪することがある。なお、投与開始前にHBs抗原陰性の患者においても、B型肝炎ウイルスによる劇症肝炎を発症し、死亡に至った症例も報告されている。