リボヌクレアーゼ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
リボヌクレアーゼ(ribonuclease,RNase)はリボ核酸を分解してオリゴヌクレオチドあるいはモノヌクレオチドにする反応を触媒する酵素。ヌクレアーゼの一種で、RNase(RNアーゼまたはRNエース)とも呼ばれる。
あらゆる生物に遍く存在する酵素で、内部からRNAを分解するエンドヌクレアーゼ、外側から分解していくエキソヌクレアーゼの双方が存在する。塩基を識別して分解を行う基質特異性の高いものもあり、種類は多様である。主なものとして塩基の種類を問わないリボヌクレアーゼT2(EC 3.1.27.1)やピリミジン塩基のある部分だけ切断するリボヌクレアーゼA(EC 3.1.27.5)、グアニンの部分のみを分解するリボヌクレアーゼT1(EC 3.1.27.4)などがあげられる。mRNAなどの必要なRNAはリボヌクレアーゼインヒビターと呼ばれるペプチドによってリボヌクレアーゼによる分解をまぬかれている。
リボヌクレアーゼは一次構造が最初に特定された酵素として歴史に残っており、これを決定した三人の化学者はノーベル化学賞を受賞している。