ロルフィング
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ロルフィング(Rolfing)とは、アメリカの生化学者、アイダ・ロルフによって創始されたボディワークの手法であり”ストラクチュラル・インテグレーション(Structural Integration)”に対してついたニックネームである。身体を調整し能力を引き出すことを目的とする。リラックスや健康法としての効果もあるが、主目的は合理的な動きができる安定した身体をつくることにある。スポーツ選手、俳優、武道家などがロルフィングによって能力向上をはかっている。
人間の身体は結合組織のネットワーク(骨、軟骨、靭帯、腱、筋膜など)によって基本的な構造の枠組みが作られている。人間が動きを特に意識せずに生活していると知らぬ間に偏った動きになり、結合組織のネットワークが偏って固まってしまう。ロルフィングではそのような偏りを調整することによって身体のバランスを回復する。
バランスのとれた身体とは重力と調和した身体である。頭頂、耳、肩、肋骨、骨盤、脚のパーツが垂直に並び、重力が身体の中心を通る姿勢を理想としている。前から見たときも眼、口、鎖骨、膝、足首などが水平になるようにする。
ロルフィング技法の特徴のひとつは筋膜へのアプローチが中心となっていることである。筋肉や骨よりも、それらを包んでいる筋膜をほぐすことが身体の調整に効果的であるとしている。ロルフは筋膜を身体構造の中心という意味で「構造の器官」と呼んだ。
ロルフィングは全10回のセッションより成る。
- 第1セッション 深い呼吸を楽にできるようにする。下地作り。
- 第2セッション 大地にしっかり立つ足を作る。足裏の3つのアーチを活性化。
- 第3セッション 足から首にかけての体側の調整。前後のバランスを取る。
- 第4セッション 骨盤の調整。腰の水平化。
- 第5セッション 腹部・胸部のスペースを拡げる。内臓空間の解放。
- 第6セッション 背骨・仙骨を自由にする。
- 第7セッション 頭・首のバランスを取る。
- 第8セッション 上半身および下半身のバランスを取る。構造、機能の統合1。
- 第9セッション 下半身および上半身のバランスを取る。構造、機能の統合2。
- 第10セッション 全身の統合。
1〜3セッションは身体の表層部を調整、4〜7セッションは身体の深層部を調整、8〜10セッションは全身の統合という意味がある。
ロルフィング/ストラクチュラル・インテグレーションの学べる代表的な機関として 米国Rolf Instituteと米国Guild for Structural Integrationの2校が挙げられる。
日本ロルフィング協会http://rolf.cute-site.org/ ギルド・フォー・ストラクチュラル・インテグレーションhttp://japan.rolfguild.org/